物品管理システム
備品管理はほとんどの企業にも欠かせない業務です。多くの企業では備品管理にエクセルを使用していますが、場合によっては最適な方法でないというケースもあります。
この記事では、備品管理をエクセルで行うメリット・デメリットをご紹介します。
システム活用による利点などもご紹介していますので、これから備品管理を始めようと検討している企業や、エクセルの備品管理に限界を感じている企業は本記事を参考にしてみてください。
※本記事に掲載している情報は2024年9月時点のものです。
目次
物品管理システム
簡単できめ細やかな台帳管理機能と豊富なアタッチメントで、
「何が」「今どこに」「どのような状態」をリアルタイムに把握。
さまざまな運用現場における管理のお悩みを解決します。
会社では、オフィス用品や生産に必要な副資材など多種多様な備品を取り扱っています。備品管理とはそれらすべての備品を、統合管理することです。
具体的には備品ごとの保管場所、在庫数、最終購入日、利用状況などの情報を管理するのが一般的です。
備品管理を行うことにより、固定費用の削減につながります。社内のどこに、どれくらいの備品が置かれているかを管理することで、過剰な備品購入を防げるためです。
また、適切に管理を行うことにより必要な備品を探すための手間が省け、業務効率化にもつながります。
備品管理の手順やおすすめのシステムについてさらに詳しく知りたい方は「備品管理システムとは?導入すべき理由とおすすめのシステム」をご覧ください。
備品管理を適切に行うことで、生産性が向上します。
備品の場所を把握できると、必要な備品をすぐに取り出せるため、探す時間を減らし業務を円滑に進めることができるようになります。
また、使っていない備品を廃棄することでスペースを有効活用でき、従業員の業務もより効率的になります。
備品管理を厳格に行うことで、コストの削減につながります。
まず、発注管理を適切に行うことで無駄な発注を避け、備品の使い方を最適化し、コストを抑えられます。
また、在庫を適正に管理することで不要な保管費用も削減できます。
さらに、定期的な点検やメンテナンスを実施することで、故障や紛失を未然に防ぎ、修理や交換にかかる費用も抑えられます。
体系的な備品管理を行うことで、ガバナンスの強化が期待できます。
備品の使用状況や在庫をリアルタイムで詳細に記録することで、不正使用や紛失のリスクを減らすことができます。もし備品の所在が不明になった場合でも、迅速に状況を把握でき、紛失によるリスクを回避できます。
さらに、多くの従業員にとって備品の利用は頻繁に行う業務であり、身近な存在なのではないでしょうか。日常的にしっかりと管理されている備品管理の仕組みに触れることで、コンプライアンスやガバナンスへの意識も高まるきっかけになるでしょう。
備品管理の主なやり方は3つ、「紙の管理台帳」「エクセル」「物品管理システム」を使う方法があります。それぞれの特徴を整理していきましょう。
印刷した管理台帳に手書きで記入するなど、紙で管理する方法があります。少ないコストで始めることができ、ITスキルにかかわらず使用できます。
しかし、記入漏れが起きたり管理台帳を紛失したりするリスクもあるため、最近では紙の管理台帳を使っている企業は多くはないでしょう。
備品管理室のラックごとに直接紙の管理台帳を貼りつけて管理するという方法は今でも見られます。
エクセルで管理台帳を作れば、紙のような面倒さはありません。記入が簡単で、エクセルのファイルを開けばすぐに備品の状況が確認できるため、多くの企業が取り入れている方法といえるでしょう。
ただし、後述するようにエクセルでの管理にはメリットとデメリットがあります。
備品をシステムで管理する方法です。膨大なデータを管理してもパフォーマンスが低下せず、調達システムや在庫システムとの連携によって備品管理業務を大幅に効率化できます。
導入コストはかかりますが、組織全体のメリットを考えると有効な選択肢の1つです。
備品管理をエクセルで行っている企業は多く、また、これからエクセルで管理を始めようと検討されている企業も多いでしょう。ここではエクセルを使用するメリットをご紹介します。
多くの企業では標準的にエクセルを業務ツールとして導入しているので、追加コストが発生しません。また、エクセルを導入していない場合でも、エクセルと類似する機能を持った無料の表計算ソフトで代替することが可能です。
管理台帳を作るのは難しくなく、インターネット上で検索できるテンプレートを使ってすぐに管理台帳を作ることもできます。
エクセルは特別なITスキルがなくても基本的な操作は行えるため、備品管理を始めるにあたってトレーニングは不要です。
マクロ(自動化プログラム)など高度な仕組みを利用するとなると話は別ですが、管理台帳に記入して管理する程度であれば、基本的なPCスキルで問題なく対応できるでしょう。
エクセルの管理台帳ならデータとしてPCに保存されているので、紙を探す手間やスペースの問題なども起こりません。データの取りまとめや授受なども、紙より効率的に行うことができます。
エクセルで作った管理台帳をオンラインストレージなどの共有フォルダに格納することで、組織的な備品管理も行えます。編集内容がひとつのファイルに反映されるため、複数人での管理にも便利です。
メリットに続き、エクセルのデメリットもご紹介します。環境によってはデメリットの方が際立つケースがあるため、事前に確認しておきましょう。
エクセルで作成した管理台帳シートは簡単にコピーができるため、例えば共有フォルダから個別の部門や個人フォルダにコピーして使用される可能性があります。
誰もが運用ルールを厳守するのが前提となり、少しでもルールから外れた利用があると備品管理に混乱を招く恐れがあります。
そのため、ファイルをパスワードで保護するなどの対応を行うとよいでしょう。また、この際、使用するパスワードも頻繁に変更することでセキュリティの強化につながります。
紙の管理台帳にも紛失リスクはありますが、エクセルはワンクリックで削除できてしまいます。そのため操作ミスによって紛失するリスクがあり、場合によっては復元不可能となるケースも想定されます。
予期せぬデータの消失を防ぐためにはバックアップの保存やクラウドによる共有などを検討しましょう。ただし、こうした対策はしっかりとした情報管理ができていないと、漏えいのリスクもある点には注意が必要です。
入力ミスによって、数量や品名、保管場所などが誤って入力されるケースも少なくありません。入力ミスが発生するたびに正しい情報を確認しなければならず、回数が重なると業務効率が低下する恐れがあります。
そのため、手入力でなくRFIDやQRコードの導入を検討しましょう。こうした方法であれば情報の入力ミスを防ぐことができるだけでなく、業務効率の向上も期待できます。
RFIDについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
「RFID管理で物品管理の時間を大幅カットできる?シーン別の事例もご紹介」
エクセルでの管理に効率性を追求するあまり、関数を複雑に組み合わせた設計を行う場合があります。関数が複雑になり過ぎてしまうと、場合によってはエラーが発生しやすくなったり、エクセルの動作が重くなったりしてしまいます。
また、変更や修正、新しい関数の追加など管理表を編集する難易度が高くなり、シート管理者の引き継ぎにも影響する恐れがあります。
そのためデータの高度な分析や、大規模な管理を行いたい場合はSaaSシステム導入も検討するとよいでしょう。また、SaaSシステムの導入にあたっては企業によって課題や目的が異なるため、自社の要望に合わせた開発をしてくれるサービスを選択するとよいでしょう。
ここまでご紹介したように、エクセルの備品管理にはデメリットもあります。自社にとってメリットとデメリットのどちらが大きいかを見分けるために、以下のポイントを意識してみましょう。
管理すべき備品数が少数であればエクセルでも十分管理できます。しかし何万点といった大量の備品を管理するとなると、徐々にデメリットの方が大きく感じることでしょう。
まずは管理すべき備品数をある程度把握し、エクセルでの管理が適切かどうかを検討してみてください。
エクセルのメリットとして「追加コストがかからない」と前述しました。確かに、エクセルが業務ツールとして導入されていれば、システム利用自体に追加コストはかかりません。
しかし、エクセルを使った備品管理の効率性が悪ければ、それだけ多くの工数、人件費がかかることになります。数あるコストのなかでも人件費は可視化しづらいもののひとつなので、エクセルを使った備品管理の業務工数を算出してそこにかかる人件費まで一度計算してみることをおすすめします。
物品管理システムは導入コスト、運用コストこそかかるものの、何万点といった大規模な備品管理においても効率性を担保できます。入力ミスなどのヒューマンエラーも防げ、かつ他システムとの連携も可能です。
そのため費用対効果という視点から、エクセルと物品管理システムとではどちらが高いかを十分検討することが大切です。
以上のポイントを踏まえて、自社にとって最適な備品管理方法について考えてみてください。
エクセルで備品管理を行いたいという方のために、備品管理シートを作る方法をご紹介します。以下6つのステップを押さえて、使える備品管理シートを作りましょう。
一般的な備品管理シートに必要な基本の管理項目は、次の7つです。
最終購入日時点の在庫点数から、一定期間経過後の在庫点数を差し引くと、その期間でどれくらいの備品が使われるかを把握できます。この平均値を出すことで、備品調達のリードタイムも把握できるようにもなるでしょう。
備品管理のカテゴリーは分かりやすく分類しましょう。
例えば「オフィス用品」と一括りにするのではなく、サブカテゴリーとして「コピー用紙」や「PCモニター」といったように、細かいカテゴリー分けをすると管理効率をアップできます。
備品管理では管理項目ごとに正確に情報を入力することも大切です。情報を正しく入力することで、目的のデータをスムーズに抽出でき、備品調達・発注の際の業務効率をアップできます。なお、入力情報の表記は統一するように注意しましょう。
入庫数と出庫数を記入し、関数を使えば現在の在庫点数を効率的に把握できるようになります。入庫数から出庫数を差し引くだけなので、難しい関数を使う必要はありません。
マクロとは、エクセル内で一連の処理を自動的に行うプログラムのことです。マクロを使えば管理台帳データのグラフ化や、発注書などを自動で発行できるため、さらなる効率化を求める場合は検討してみてもよいでしょう。
ただし、関数よりも扱いが難しいためマクロスキルを持った人材が必要です。
実際に現場担当者が利用する際の運用ルールを設けましょう。特に入力ルールに関しては細かいところまで明確にし、社員によって入力方式が変わらないように努めるのがポイントです。
ルールがない場合は適切に情報の反映がされず、スムーズな備品管理に支障をきたす可能性があります。
エクセルによる備品管理のメリット・デメリット、具体的な方法などを説明してきました。
現在エクセルでの備品管理に課題を感じているなら、日立システムズエンジニアリングサービスの物品管理システムの導入により、業務効率や生産性を大幅にアップできる可能性があります。
生産現場で使用する工具などにRFID(無線ラジオタグ)を付ければ、ハンディリーダーを使って備品の在庫点数や管理状況を素早く、正確に把握可能です。また、QRコードやビーコンといった技術にも対応しています。
台帳機能も備わっており、エクセルに比べて圧倒的に効率よく管理でき、調達システムとの連携により必要点数を素早く把握・発注することもできます。
前述のように導入コスト、運用コストはかかりますが、場合によってはエクセルよりも費用対効果の高いシステムとなるでしょう。
備品数の多い企業などでは、エクセルによる備品管理に限界を感じていることも少なくないでしょう。また、IT活用の苦手意識や表面的なコストを考えて、システム化を躊躇している場合もあるはずです。
しかし、場合によってはエクセルでの備品管理が適していないこともあり、システム化によりコスト以上の生産性を得られる可能性が高いのです。
エクセルの備品管理に限界を感じたら、物品管理システムによる備品管理のシステム化をぜひご検討ください。
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簡単できめ細やかな台帳管理機能と豊富なアタッチメントで、
「何が」「今どこに」「どのような状態」をリアルタイムに把握。
さまざまな運用現場における管理のお悩みを解決します。