物品管理システム
業務効率がアップするような備品管理を行うコツは「台帳作り」にあります。正しい方法で備品管理台帳を作成すれば、管理しやすい台帳になり組織全体で業務効率アップなどを実現します。また、正しい運用ルールを設けることも大切です。
今回の記事では、備品管理台帳の作り方やその必要性をご紹介します。備品管理台帳の作り方や運用ルールのポイントを知り、備品管理における業務効率化を始めてみましょう。
※本記事に掲載している情報は2022年9月時点のものです。
目次
物品管理システム
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備品管理台帳とは、備品管理を効率良く行うために作成する台帳(シート)のことです。社内には多くの備品があり、その種類も多岐にわたります。それらの備品管理を感覚的に行っているだけでは、企業はさまざまなリスクを抱えることになるため注意が必要です。
一方、台帳を使うことで「何が・どれくらい・どこにあるのか?」を正確に把握できるため、備品管理のリスクを低減できます。
企業によっては備品と固定資産を同じ台帳で管理することもあります。どういった管理形態が最適かは企業によって異なるため、まずは備品や固定資産の現状を把握することが大切です。
備品管理が必要とされる理由は「コスト削減」「セキュリティ強化」「業務効率のアップ」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。
備品管理が徹底されていないと、「在庫があるのに不要な分を追加で発注してしまう」といった問題が起きやすくなります。必要以上に備品を発注する、あるいは使われない在庫を生むことで企業にとってはコストが増加してしまいます。
つまり、備品管理を徹底することでコスト削減につながるのです。また、過剰在庫を防いで無駄なスペースを生まないことで、スペースあたりのコスト削減にもなります。
備品(または固定資産)の中には、重要な機密情報や個人情報が含まれていることがあります。
たとえば顧客リストデータが入った紙ファイルやPCが無断で持ち出されれば、個人情報流出といった問題につながるかもしれません。無断での持ち出しや紛失のリスクを抑えられるため、備品管理を徹底するとセキュリティ強化が行えます。
備品は基本的に組織全体でシェアするものです。そのため、「使いたい時に使いたい備品が見つからない」などの状況が生まれると、業務効率が下がる原因になります。
また、備品管理が徹底されていないと棚卸時に余計な時間がかかるため、これも業務効率が下がる原因となります。組織全体の業務効率を少しでも上げようと考えれば、備品管理は企業にとって欠かせない業務だといえます。
それでは備品管理台帳の作り方をご紹介します。エクセルやGoogleスプレッドシートなどを使用して、備品管理台帳を作ってみましょう。
まずは備品管理台帳に入力する管理項目を決めます。「必須項目」と「部門ごとの項目」に分けて考えるのがポイントです。
「必須項目」と「部門ごとの項目」の一例をご紹介しましたが、厳格に則る必要はありません。企業ごとのビジネスや扱っている備品によって最適な管理方法は変わるため、上記をベースに必要な管理項目について考えてみてください。
カテゴリーはメインとサブに分けて細かく管理することで、情報検索性がアップします。また、最終購入日の在庫点数から一定期間経過後の在庫点数を差し引くと、その期間でどれくらいの備品が使われるかを把握できます。
マクロとは、エクセルにおける自動化プログラムのことです。関数が1つの処理を行うのに対して、マクロは複数の処理をまとめて実行できます。
ボタン1つでマクロを実行できるため、備品管理台帳に組み込むと管理効率がアップします。そのため、さらなる効率化を求める場合は検討してみてもよいでしょう。ただし、関数よりも扱いが難しいためマクロスキルを持った人材が必要です。
備品管理台帳を作成したり、管理するにあたって意外と手間がかかる作業がナンバリングです。たとえば1万点以上ある備品を管理する際に、一つひとつナンバリングすると膨大な時間がかかってしまいます。そこで、特定のルールに沿ってナンバリングする関数があると便利です。
関数を使っても日付の自動入力は行えますが、日付が勝手に更新される可能性もあるためマクロを推奨します。マクロを使って日付や時刻を自動入力すると、式ではなく値として固定されるため予期せぬ更新を防ぐこともできます。
これも関数を使って行えることですが、マクロを使うと入出庫数の連動だけでなく「入出庫履歴」が自動で入力される備品管理台帳を作成できます。
このように、エクセルで備品管理台帳を使う場合は関数やマクロを組み込むとさまざまな業務を大幅に効率化できるため、マクロスキルを持った人材がいる場合におすすめです。
作成した備品管理台帳を運用するうえで、大切なポイントが4つあります。各ポイントを押さえることで、備品管理台帳の運用および備品管理の効率化につながるので確認していきましょう。
中小企業であっても備品点数は多くなるため、備品管理では運用ルールの策定が絶対です。社員ごとに運用方法が異なると備品管理に混乱を招き、効率化どころか生産性を低下させる原因になってしまいます。
とくに厳格なルールを設けるべきは「表記統一」です。備品管理台帳は情報検索性を保たなければならないため、社員ごとに記入方法が違うと検索性が担保できません。
したがって記入方法を中心に、取り扱いなどに関する運用ルールを策定し、可能であればマニュアルやガイドラインも作成しておきましょう。
運用ルールは策定するだけではいけません。「備品管理台帳と備品管理においてこのようなルールを作成しました」という情報を、関連部門または組織全体に周知させることが大切です。周知を徹底し、備品管理を行うための台帳についても説明したうえで、組織全体のルール順守を促していきましょう。
備品管理台帳でしっかりと管理していても、データと実在庫が合わない問題は多々発生します。そのため、棚卸時は備品管理台帳のデータだけを参照するのではなく、必ず現場に足を運んで棚卸作業を行いましょう。
また、定期的な棚卸作業を行うことで修理が必要なものや、廃棄すべきものなど、備品の状態を把握できます。「必要な時に必要な備品が使えない」という状況を避けるためにも、定期的な棚卸作業は大切です。
マクロを作成するスキルがあれば、備品管理台帳に入力されているデータをグラフ化してみましょう。これには「備品管理状況やコスト配分などを視覚的に把握する」という目的があります。
グラフを作成すると「どのカテゴリの備品に、どれくらいの費用が掛かっているか」を知ることができ、不要なコストの削減に向けた取り組みを始められます。
企業にとって不要なものは徹底的に排除し、コスト削減を行ってリーン(余計な部分が削ぎ落とされた状態)な企業になることで、今よりも有効的な投資が行えるようになります。
ここまで、エクセルやGoogleスプレッドシートなどの表計算ツールを想定して、備品管理台帳の作成方法や運用ルールについてご紹介しました。しかし実は、備品管理をエクセルなどで行うのには限界があります。
備品管理の規模が大きくなるにつれて、台帳に組み込まれた関数の数が増えていきます。関数やが増え続けるとエラー値が発生しやすくなり、備品管理台帳の編集・修正も難しくなります。
また、備品管理台帳の関数がブラックボックス化してしまうので、いずれは備品管理台帳の仕組みについて理解している人材がいなくなり、柔軟性を失った備品管理台帳になりかねません。
どのような努力をしてもヒューマンエラーを排除することはできません。つまり、エクセルで作成した備品管理台帳では入力ミスを防ぐのが難しくなります。
一度入力ミスが起これば、正しい状態を確認する必要があり、積み重なると業務効率は大きく下がってしまうでしょう。このように、エクセルで行う備品管理には限界があります。
備品管理を行う選択肢はエクセルや紙だけではありません。「システム化する」という選択肢もあり、これが多くの企業にとって有効な選択になります。
物品管理システムを利用すれば、データベースと連携するため数万点以上の膨大な備品管理においてもシステムパフォーマンスが下がりません。
エクセルではデータ量や関数・マクロの複雑性によって動作が重くなってしまうため、使うたびにストレスを与えてしまいます。備品管理台帳の起動までに数分かかることもあるのです。
また、物品管理システムなら備品管理や固定資産管理、リース管理などを分ける必要はなく、すべてをシステム上で統合管理できます。管理システムを統一できるため作業効率がアップし、社員のストレスも軽減できます。
固定資産管理においてはRFID(無線ラジオタグ)を使った管理がおすすめです。ハンディターミナルを起動し、遠隔で読み取るだけで在庫点数を正確に把握できます。1時間以上かかる棚卸作業をわずか5分に短縮することも可能です。
このように物品管理システムには備品管理の効率化にとどまらないメリットがあるので、備品管理に問題・課題を抱えている場合は、導入をぜひご検討ください。
備品管理は運用ルールが自然と守られるような仕組み作りが大切なポイントです。表計算ソフトで台帳を作成し管理する場合は、関数などを使った入力効率化が欠かせません。
あるいは物品管理システムなどで備品管理をシステム化すれば、自然と仕組み作りが行えるため、場合によっては費用対効果の高い方法だといえるでしょう。
備品管理は当たり前の業務だからという認識で、「なんとなく」で行なってしまうとコスト削減やセキュリティ効果といったメリットは得られません。まずは、何のために備品管理を行うのか?という目的を整理したうえで、組織全体にとって最適な備品管理方法について考えてみてください。
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