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  • 2022.10.01
  • 2024.10.01
  • 物品管理システム

備品管理のコツ!台帳の作り方から運用ルールのポイントをご紹介

物品管理システム

業務効率がアップするような備品管理を行うコツは「台帳作り」にあります。正しい方法で備品管理台帳を作成すれば、管理しやすい台帳になり組織全体で業務効率アップなどを実現します。また、正しい運用ルールを設けることも大切です。
今回の記事では、備品管理台帳の作り方やその必要性をご紹介します。備品管理台帳の作り方や運用ルールのポイントを知り、備品管理における業務効率化を始めてみましょう。

※本記事に掲載している情報は2024年9月時点のものです。

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備品管理台帳とは?

備品管理台帳とは、備品管理を効率よく行うために作成する台帳(シート)のことです。社内には多くの備品があり、その種類も多岐にわたります。それらの備品管理を感覚的に行っているだけでは、企業はさまざまなリスクを抱えることになるため注意が必要です。

一方、台帳を使うことで「何が・どれくらい・どこにあるのか?」を正確に把握できるため、備品管理のリスクを低減できます。

企業によっては備品と固定資産を同じ台帳で管理することもあります。どういった管理形態が最適かは企業によって異なるため、まずは備品や固定資産の現状を把握することが大切です。

備品管理はなぜ必要なのか?

備品管理が必要とされる理由は「コスト削減」「セキュリティ強化」「業務効率のアップ」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。

コスト削減

備品管理が徹底されていないと、「在庫があるのに不要な分を追加で発注してしまう」といった問題が起きやすくなります。必要以上に備品を発注する、あるいは使われない在庫を生むことで企業にとってはコストが増加してしまいます。

つまり、備品管理を徹底することでコスト削減につながるのです。また、過剰在庫を防いで無駄なスペースを生まないことで、スペースあたりのコスト削減にもなります。

セキュリティ強化

備品(または固定資産)の中には、重要な機密情報や個人情報が含まれていることがあります。

たとえば顧客リストデータが入った紙ファイルやPCが無断で持ち出されれば、個人情報流出といった問題につながるかもしれません。無断での持ち出しや紛失のリスクを抑えられるため、備品管理を徹底するとセキュリティ強化が行えます。

業務効率のアップ

備品は基本的に組織全体でシェアするものです。そのため、「使いたいときに使いたい備品が見つからない」などの状況が生まれると、業務効率が下がる原因になります。

また、備品管理が徹底されていないと棚卸時に余計な時間がかかるため、これも業務効率が下がる原因となります。組織全体の業務効率を少しでも上げようと考えれば、備品管理は企業にとって欠かせない業務だといえます。

備品管理台帳を作るとできるようになること

ここでは、備品管理台帳を作るとできるようになることを具体的に解説します。

ロケーション管理ができるようになる

備品管理台帳を作成すると、備品の配置場所をリアルタイムで把握できるロケーション管理ができるようになります。

台帳には、保管場所や使用場所、移動履歴、使用者などが詳細に記録されるため、どこにどの備品があるかをすぐに確認できるようになります。そのため、必要な備品を迅速に見つけることができ、業務の効率が上がります。

また、移動履歴を管理することで、在庫の最適化やセキュリティ強化も実現できます。

監査が楽になる

備品管理台帳を作成すると、監査をスムーズに行うことができるようになります。

台帳には監査時に必要になることのある、備品についての「いつ」「どこで」「だれが」「どの」「なんのために」といった情報が記録されます。

これにより、監査担当者は資産の現状や管理状況を一目で把握でき、不足や不正確な記録が即座に確認できます。

さらに、監査プロセスがスムーズに進むことで内部および外部監査の効率が向上し、ガバナンスの信頼性向上も期待できるのではないでしょうか。

ABC分析がしやすくなる

備品管理台帳を作成すると、ABC分析がしやすくなります。
ABC分析は、備品を重要度や使用頻度によって3群のグループに分ける分析手法です。

台帳に使用履歴や発注頻度、コストなどのデータが集約されることで、これらの情報を用いて正確な分析が可能になります。

例えば、使用頻度が高い備品やコストがかかるものを特定し、それに応じて重点的に管理することや、発注計画を立てることができるようになります。

備品管理台帳の作り方

それでは備品管理台帳の作り方をご紹介します。エクセルやGoogleスプレッドシートなどを使用して、備品管理台帳を作ってみましょう。

入力項目を決める

まずは備品管理台帳に入力する管理項目を決めます。「必須項目」と「部門ごとの項目」に分けて考えるのがポイントです。

必須項目

  • 管理番号
  • カテゴリー
  • 品名
  • 在庫点数
  • 保管場所
  • 最終購入日
  • 購入点数

部門ごとの項目

  • 所有者
  • 利用状況
  • メーカー
  • シリアルNo
  • 型式
  • 保証書
  • 耐用年数
  • 資産科目
  • 取得価額
  • Etc.

「必須項目」と「部門ごとの項目」の一例をご紹介しましたが、厳格に則る必要はありません。企業ごとのビジネスや扱っている備品によって最適な管理方法は変わるため、上記をベースに必要な管理項目について考えてみてください。

カテゴリーはメインとサブに分けて細かく管理することで、情報検索性がアップします。また、最終購入日の在庫点数から一定期間経過後の在庫点数を差し引くと、その期間でどれくらいの備品が使われるかを把握できます。

必要に応じてマクロを作る

マクロとは、エクセルにおける自動化プログラムのことです。関数が1つの処理を行うのに対して、マクロは複数の処理をまとめて実行できます。

ボタン1つでマクロを実行できるため、備品管理台帳に組み込むと管理効率がアップします。そのため、さらなる効率化を求める場合は検討してみてもよいでしょう。ただし、関数よりも扱いが難しいためマクロスキルを持った人材が必要です。

部門ごとの項目

備品管理台帳を作成したり、管理したりするにあたって意外と手間がかかる業務がナンバリングです。たとえば1万点以上ある備品を管理する際に、一つひとつナンバリングすると膨大な時間がかかってしまいます。そこで、特定のルールに沿ってナンバリングする関数があると便利です。

日付の自動入力

関数を使っても日付の自動入力は行えますが、日付が勝手に更新される可能性もあるためマクロを推奨します。マクロを使って日付や時刻を自動入力すると、式ではなく値として固定されるため予期せぬ更新を防ぐこともできます。

入出庫数の連動

これも関数を使って行えることですが、マクロを使うと入出庫数の連動だけでなく「入出庫履歴」が自動で入力される備品管理台帳を作成できます。

このように、エクセルで備品管理台帳を使う場合は関数やマクロを組み込むとさまざまな業務を大幅に効率化できるため、マクロスキルを持った人材がいる場合におすすめです。

備品管理台帳を運用するポイント

作成した備品管理台帳を運用するうえで、大切なポイントが4つあります。各ポイントを押さえることで、備品管理台帳の運用および備品管理の効率化につながるので確認していきましょう。

運用ルールの策定

中小企業であっても備品点数は多くなるため、備品管理では運用ルールの策定が絶対です。社員ごとに運用方法が異なると備品管理に混乱を招き、効率化どころか生産性を低下させる原因になってしまいます。

特に厳格なルールを設けるべきは「表記統一」です。備品管理台帳は情報検索性を保たなければならないため、社員ごとに記入方法が違うと検索性が担保できません。

したがって記入方法を中心に、取り扱いなどに関する運用ルールを策定し、可能であればマニュアルやガイドラインも作成しておきましょう。

台帳の周知を徹底

運用ルールは策定するだけではいけません。「備品管理台帳と備品管理においてこのようなルールを作成しました」という情報を、関連部門または組織全体に周知させることが大切です。周知を徹底し、備品管理を行うための台帳についても説明したうえで、組織全体のルール順守を促していきましょう。

定期的な棚卸業務

備品管理台帳でしっかりと管理していても、データと実在庫が合わない問題は多々発生します。そのため、棚卸時は備品管理台帳のデータだけを参照するのではなく、必ず現場に足を運んで棚卸業務を行いましょう。

また、定期的な棚卸業務を行うことで修理が必要なものや、廃棄すべきものなど、備品の状態を把握できます。「必要なときに必要な備品が使えない」という状況を避けるためにも、定期的な棚卸業務は大切です。

グラフで視覚的に表す

マクロを作成するスキルがあれば、備品管理台帳に入力されているデータをグラフ化してみましょう。これには「備品管理状況やコスト配分などを視覚的に把握する」という目的があります。

グラフを作成すると「どのカテゴリーの備品に、どれくらいの費用がかかっているか」を知ることができ、不要なコストの削減に向けた取り組みを始められます。

企業にとって不要なものは徹底的に排除し、コスト削減を行ってリーン(余計な部分が削ぎ落とされた状態)な企業になることで、今よりも有効的な投資が行えるようになります。

導入や更新が容易な仕組みを導入する

備品管理台帳を運用する際には、導入や更新が簡単な仕組みを整えることが大切です。

操作が直感的で使いやすいシステムを選ぶと、導入時の負担が軽くなり、スムーズに運用を始めることができます。

こうした使いやすいソフトウェアやツールを選ぶことで、教育コストを抑えつつ、データの入力や更新が効率よく進められます。また、追加機能の導入が容易な環境を整えることもポイントです。

例えば、データの自動同期やクラウドベースのソリューションを活用することで、リアルタイムに情報を更新し、データの相互性や一貫性を保つことができるようになるでしょう。

効率的で高精度な読み取り機器の導入も検討する

備品管理台帳を運用する際、効率的で高精度な読み取り機器の導入は重要なポイントです。

QRコードやRFIDタグシステムを使用することで、備品の情報を迅速かつ正確に読み取ることができます。

QRコードリーダーは備品に付けられたQRコードをスキャンし、情報を即座に台帳に反映させることで、手動入力によるエラーを削減することができます。

RFIDシステムはタグを備品に取り付けることで、非接触で複数のアイテムを同時に識別する手法で、在庫確認や移動管理が効率化できます。

こうした仕組みを導入することで、業務のスピードと精度が向上し、効率性と信頼性が大幅に改善できるでしょう。

備品管理をエクセルで行う限界

ここまで、エクセルやGoogleスプレッドシートなどの表計算ツールを想定して、備品管理台帳の作成方法や運用ルールについてご紹介しました。しかし実は、備品管理をエクセルなどで行うのには限界があります。

関数が複雑になり過ぎてしまう

備品管理の規模が大きくなるにつれて、台帳に組み込まれた関数の数が増えていきます。関数が増え続けるとエラー値が発生しやすくなり、備品管理台帳の編集・修正も難しくなります。

また、備品管理台帳の関数がブラックボックス化してしまうので、いずれは備品管理台帳の仕組みについて理解している人材がいなくなり、柔軟性を失った備品管理台帳になりかねません。

入力ミスを防ぐのが難しい

どのような努力をしてもヒューマンエラーを排除することはできません。つまり、エクセルで作成した備品管理台帳では入力ミスを防ぐのが難しくなります。

一度入力ミスが起これば、正しい状態を確認する必要があり、積み重なると業務効率は大きく下がってしまうでしょう。このように、エクセルで行う備品管理には限界があります。

まとめ

備品管理を行う選択肢はエクセルや紙だけではありません。「システム化する」という選択肢もあり、これが多くの企業にとって有効な選択になります。

また、運用ルールが自然と守られるような仕組み作りが大切なポイントです。表計算ソフトで台帳を作成し管理する場合は、関数などを使った入力効率化が欠かせません。

あるいは物品管理システムなどで備品管理をシステム化すれば、自然と仕組み作りが行えるため、場合によっては費用対効果の高い方法だといえるでしょう。

特に、固定資産管理においてはRFIDを使った管理がおすすめです。ハンディターミナルを起動し、遠隔で読み取るだけで在庫点数を正確に把握できます。1時間以上かかる棚卸業務をわずか5分に短縮することも可能です。

このように物品管理システムには備品管理の効率化にとどまらないメリットがあるので、備品管理に問題・課題を抱えている場合は、導入をぜひご検討ください。

備品管理は当たり前の業務だからという認識で、「なんとなく」で行ってしまうとコスト削減やセキュリティ効果といったメリットは得られません。まずは、何のために備品管理を行うのか?という目的を整理したうえで、組織全体にとって最適な備品管理方法について考えてみてください。

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