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  • 2021.04.01
  • 2024.10.01
  • 物品管理システム

RFID管理で物品管理の時間を大幅カットできる?シーン別の事例もご紹介

物品管理システム

RFID(Radio Frequency Identification)管理というものをご存知でしょうか。RFID管理とは近距離無線通信を用いた自動認識技術のことで、非接触でICタグを読み取り、商品を管理するシステムです。
これを活用することで棚卸、商品管理の効率が格段に上がり、所要時間が10分の1程度になったという事例もあります。
ここではRFID管理についての解説とメリットを説明し、最後に棚卸だけではない身近な事例を紹介するのでご一読ください。

※本記事に掲載している情報は2024年9月時点のものです。

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RFID管理の仕組み、QRコードとの違い

RFIDとQRコードによる管理は、どちらも在庫管理や物流のDX化において有効な選択肢です。

RFID(Radio Frequency Identification)は、電波を用いて情報を無線で読み取るシステムで、物品の追跡や管理に優れており、QRコードは視覚情報を読み取る2次元バーコードで、簡便なため広く利用されています。

そこで、ここではRFID管理の基本的な仕組みと特徴を解説し、QRコードとの具体的な違いについても解説します。

RFID管理の仕組み

RFID管理にはデータを書き込んだRFタグとそれを読み取るリーダライターを使用します。物品に取り付けたRFタグとリーダライター間で近距離無線通信を行い、RFタグのデータを読み取ることが可能です。このとき、機種によっては読み取るだけでなくデータを書き換えることもできます。

無線通信でデータのやり取りをするため、対象の物品を手に取ることなく複数のデータを一度に読み取ることができるので、大幅な時間短縮へとつながる画期的なシステムです。

RFIDの種類

RFIDには「バッテリーの有無」や「周波数帯」などでいくつかの分類分けが存在します。まず、RFIDタグはバッテリーの有無や利用方法によって3種類に分けられます。

パッシブタグは、読み取りを行うリーダーからの電波を利用して通信する方式のRFIDタグです。そのため、バッテリーが不要なうえ、比較的低価格でメンテナンス性にも優れていることが多いです。アクティブタグとセミアクティブタグはバッテリーを内蔵するタイプのRFIDタグです。

アクティブタグはバッテリーを内蔵していることが特徴であり、価格が高価であることが多いです。また、温度センサーを内蔵できるため、鮮度管理などの用途で使用することが特徴です。

セミアクティブタグはリーダーからの電波を確認できた場合に内蔵バッテリーを使用するタイプであり、特定の場面のみ反応させることで電力を抑えられます。その特性を活かし、会議室などへの入室、もしくは退室する時だけ反応させる使い方が可能です。そのため、主に入退室管理などで使用されます。

また、使用する周波数帯ではLF帯、HF帯、UHF帯、マイクロ波の4つで区分されます。それぞれ通信できる距離の長さが異なるため、想定される使用環境によってこれらを選択することが重要です。

QRコードやバーコードとの違い

では、現在使われているバーコードやQRコードとはどのような違いがあるのでしょうか。 バーコードはバーコードスキャナーの光センサーで読み取るのですが、データ量は少量です。バーコードを読み取る際は直接スキャナーを当てなければいけません。

一方、QRコードは画像認識で読み取るため、どの角度からも短時間で読み取ることができます。記録できるデータ量もバーコードよりも大きいです。ただし、やはりQRコードを直接読み取らなければいけません。

両者とも一度書き込んだデータは書き換えることができないというデメリットがあります。修正したい場合は新しいバーコードやQRコードを発行することが必要です。

RFIDで物品や在庫を管理するメリット

ヒューマンエラーを防ぐことができる

RFIDを導入することで、ヒューマンエラーの削減が期待できます。

RFIDシステムでは、管理物品を「いつ」「だれが」「どこで」使ったかといった情報を収集・記録することが可能です。
そのため、記入漏れや誤認といったヒューマンエラーを防ぐことができるようになります。特に、手入力には繁忙時やスタッフ不足など、ヒューマンリスクを増加させやすい要因が存在します。

RFIDによる管理手法を導入することで、一元的かつ自動化した管理ができるため、こうした要因による影響を受けにくくなります。さらに、サービスによっては廃棄すべき物品を一括で管理する機能を付与することも可能で、誤廃棄や管理漏れといったリスク回避に寄与することができます。

紛失時にビーコンによる位置検知機能を利用できるサービスもある

RFIDシステムの中には、ビーコンによる位置検知機能を活用したサービスもあります。こうした特徴を活用することで、物品の紛失時に無駄な捜索工数を大幅に削減できます。

具体的には、これらの情報を照らし合わせて、紛失物のおおよその位置を予測することができるため捜索範囲を狭めることができます。また、貸出登録されていない物品や、本来の管理場所へ未返却の物品の所在を迅速に突き止めることも可能なため、管理の効率化とセキュリティ向上に寄与します。

非接触でデータを読み書きできる

RFIDは周波数によっては、リーダライターとRFタグの距離が数メートルから数十メートル離れていてもデータを読み取ることができます。

これにより、直接手に取ることなくデータの読み取りを行うこともできるようになるため、業務効率の向上が期待できます。

例えば、箱を開けるなどの動作がいらなくなり、在庫が高所にある場合に危険を伴うことなく業務を行うことができるなどのメリットも存在します。

隠れていても読み取りできる

通信が届く範囲であれば、障害物があってもデータの読み取りが可能です。段ボールや箱の中のものを取り出す手間が省けます。

一括読み取りができる

複数のRFタグを一度にスキャンすることが可能です。
バーコードやQRコードのように、1つずつ読み取る必要がないので大幅な時間短縮ができます。

簡単にデータの書き換えが可能

RFタグに書き込まれたデータを簡単に書き換えることも可能です。
たとえば、物品名の訂正や値段の変更などが簡単にできるので、管理がしやすくなります。

セキュリティに優れている

RFID管理に使用されているICチップは複製が困難なため、偽造防止にも役立ちます。

RFID管理のデメリット

RFID管理を活用すれば、大幅な時間短縮ができることが分かりました。しかし、とても便利なRFID管理にデメリットはないのでしょうか。

初期費用がかかる

RFID管理の導入にあたって、データ管理用のPCやリーダライター、RFタグの購入といった先行投資が必要です。
RFIDタグは低価格なもので数十円、高価なもので数百円程度が相場です。
また、読み取りリーダーをはじめ、管理システムの導入には一定のコストが生じます。そのため、投資予算の回収計画を事前に立てたうえで導入を進める必要があります。
ただし、在庫管理におけるRFIDの導入には、必要人員の減少に伴う人件費の削減や業務効率の向上によって収益の増加が期待できる場合がある点が特徴的です。そのため、こうした要因も鑑みたうえで回収計画を立てるとよいでしょう。

使用環境に気を使う必要がある

RFタグは金属の近くに置くと通信干渉を受けたり、水分を多く含むものに貼り付けたりすると精度が落ちるのが欠点です。
もしも、棚卸等で読み取りが失敗すれば在庫数が合わなくなるというリスクがあります。

また、多数の在庫を管理している場合は、読み取りに失敗したタグを特定することが困難になってしまう場合もあります。さらに、RFIDは特性上、セキュリティ対策を講じないと情報を盗み見られてしまう場合もあります。
RFIDの導入を検討される場合は、このような点にも対応できるシステムや会社を選ぶとよいでしょう。

シーン別のRFID管理の活用方法

ここではRFIDの活用方法について、業種別にどのように活用されているのか事例を紹介します。

工場の事例

棚卸:物品に取り付けたタグをリーダライターで手に取らずに一括で読み取ることができるので、棚卸業務の時間短縮につながります。

小売り・流通の事例

セルフレジ:商品にRFタグを取り付けることで、商品カゴごとレジに入れるだけで値段を一括で読み取ることが可能になります。レジ待ち行列の解消にもなります。

医療の事例

受診者管理:受診者ファイルにRFタグを取り付け、リアルタイムに受診者の待ち状況を把握できます。

まとめ

RFID管理について事例も踏まえて解説しましたが、RFID管理を活用すれば大幅な業務効率改善につながることがお分かりいただけたと思います。上手に活用できれば、業務時間の90%カットも可能です。

しかしRFID管理はバーコードやQRコードでの管理に比べるとコストがかかり、使用環境や物品によっては読み取り精度に欠ける場合もあります。

業務効率の大幅な改善が期待できるので、費用対効果が合っているのであれば導入を検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事における価格情報記載はすべて税抜表記です。
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