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  • 2021.04.01
  • 2024.10.01
  • グローバルセキュアデータ転送サービス

【徹底解説】ファイル共有のパスワード設定方法 情報を安心・安全に!

グローバルセキュアデータ転送サービス

ファイル共有は複数の人が同時に情報を閲覧できるため、セキュリティに高い意識を持つ必要があります。安全にファイル共有を行うためには、正しいパスワードの設定が有効です。

しかし、アクセスが必要なときにいつもパスワードを聞かれたら負担でしょう。
逆に必要な時に聞かれないのは危険です。

本記事では主に以下の内容を扱っています。

  • Windowsでファイル共有が必要な理由と概要・メリット
  • Windowsファイル共有パスワードの設定方法
  • Macでファイル共有を設定する方法
  • 有料/無料で導入可能なオンラインストレージについて

ぜひ、最後まで読んでいただき正しい方法を学びましょう。

※本記事に掲載している情報は2024年9月時点のものです。

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ファイル共有はなぜ必要か

ファイル共有が必要な理由は、ファイルを共有することで複数人が協同して効率的に業務を行うためです。1つの場所にファイルを置いて複数人で同じ情報を閲覧・編集することで、情報の紛失やミスがなく正確な業務を行えます。

正しいファイル共有の方法を学び、効率的でミスがない業務をめざしましょう。

ファイル共有の概要

ファイル共有とは、デジタルファイル(文書、画像、動画など)をインターネットやネットワークを通じて他のユーザーと共有する行為を指します。
ファイル共有によって、複数のユーザーが同時にファイルにアクセスし、編集や閲覧が可能になります。

一般的なファイル共有の方法は、クラウドストレージサービスやメール添付、ファイル転送サービスがあります。

ファイル共有は、共同作業を容易にし、業務効率を向上させる一方で、適切なセキュリティも確保しなければいけません。
Windows11ではファイル共有機能が標準搭載され、業務で幅広い利用が期待できます。

ファイル共有のメリット

ファイル共有のメリットは以下のとおりです。

業務効率化につながる :
ファイル共有は業務の効率化につながります。業務が1つのファイルで完結するからです。
例えば、企業リストを複数人で作成する場合を考えます。
「あと、10件残っている。」
「30件進んだ。」
このように、進捗を正確に管理できます。
あとはリストを完成させて提出するという流れです。別々のファイルで作業をしていたら、まとめて進捗管理ができません。リスト提出時に個々のファイルを統合する手間もあります。その他、印刷の手間を省くなど多くの業務効率化につながります。

ユーザーごとにアクセス権を設定できる :
ファイル共有はユーザーごとにアクセス権を設定することができ、意図しないユーザーからのファイル改ざんを防止できます。
「別のチームなので閲覧のみ。」
「メンバーなので閲覧と編集ができるように。」
ユーザーごとにアクセス権を設定することで情報を適切で安全に扱うことが可能です。

Windowsと他のデバイスと共有が可能 :
Windows同士だけではなく、他のデバイスとのファイル共有も可能です。MacやiPhone、Androidとファイル共有をしたい場面もあるでしょう。デバイスが同じネットワークに所属していれば、共有できます。 

安全なファイル共有のためのステップ

安全にファイル共有を行うための基本的なステップを紹介します。

ファイルの暗号化

暗号化とは、データを特定のアルゴリズムを用いて変換し、第三者が解読できない形式にする技術です。暗号化されたデータは、特定の鍵を持つもののみが復号(解読)できます。これにより、データの機密性が保たれます。
ファイル共有における暗号化の方法は、トランスポート層の暗号化と、エンドツーエンド暗号化の2つのタイプです。
トランスポート層の暗号化(TLS/SSL)は、データがインターネットを経由して送信される際に、データを暗号化します。これにより、通信中のデータが盗聴されるリスクを軽減します。
エンドツーエンド暗号化(E2EE)は、データを送信者から受信者までの全過程で暗号化する方法です。中継サーバーでもデータを解読することができません。

安全なパスワードを設定する

パスワードは主にアクセス制御のために必要な運用です。組織内のセキュリティを守るには安全なパスワードは欠かせません。
会社内で安全にパスワードを設定・共有するための4つの注意点を紹介します。

  • パスワードマネージャーの利用
  • 強力なパスワードの作成
  • 退職した従業員のパスワードリセット
  • 管理者権限等の特別権限は最小ユーザー数に絞る

パスワードマネージャーは組織内のパスワードを管理するためのツールです。数多くのパスワードを管理するときに欠かせない、基本的なツールの一つです。
パスワードを扱う従業員の意識づけも重要です。パスワードを作成するときは、第三者が解読できない強力なパスワードを作成しなければいけません。
そして、退職した従業員のパスワード管理や、各ユーザー、プログラム、プロセスに必要最低限の権限のみを与える最小特権の原則に従った運用も大切です。

アクセス権限を整理する

アクセス権限の整理とは、各ITサービスに対するユーザーのアクセス権を管理するプロセスのことを言います。
組織内のデータやクラウドサービスへのアクセス権の範囲を管理者が制御する運用方法です。
一人につき一つのIDを付与しつつ、職種や役職、立場ごとに最小の権限に限定した管理を行います。

職位が高いからと言って、特定の社員に多くの権限を集中させるのは好ましい運用ではありません。管理者権限を持つアカウントを複数人で共有することも原則禁止です。
アクセスの必要がない人に権限を付与してしまうと、不正アクセスのリスクが高まってしまいます。パスワード管理の基本はアクセス権限の整理ということをよく認識しておきましょう。

パスワードの重要性

パスワードが持つ重要性について、次の2つのポイントにて詳細を説明します。

パスワードが果たす役割とは

パスワードは、デジタル情報やシステムへのアクセスを制御するための基本的なセキュリティ手段です。パスワードの主な役割は、認証とアクセス制御にあります。

認証は閲覧を試みようとしている人が許可されたユーザーであることを確認するためのシステムです。正しいパスワードを入力することで、ユーザーが許可された人物であることを証明します。
パスワード認証があると、関係のない人物はシステムやデータへアクセスできません。

アクセス制御は、特定の情報や機能へのアクセス権を制限する方法です。システムはユーザーのパスワードによって異なるアクセスレベルや権限を設定できます。アクセス制御があれば、それぞれのユーザーは不必要な機能にアクセスできません。

最適解とされるパスワードの運用方法

パスワード運用のポイントは主に次の4点です。

  • 強力かつ複雑なパスワード生成
  • 定期的なパスワードの変更
  • パスワード管理ツールの使用
  • 多段階認証

誰にも推測されないような強力なパスワードを生成して、管理ツールで管理しつつ、定期的に変更する運用方法がパスワード運用の基本です。
基本をしっかり守って運用していれば、そう簡単に不正アクセスされることはありません。
そのうえで多段階認証を取り入れれば、より強固なパスワード運用が実現します。

紹介した4つの方法の中で、多段階認証というワードに聞き馴染みのない方もおられるかもしれません。
多段階認証とは、SMSコードや認証アプリケーションによるコード入力、指紋認証などを取り入れた認証方式です。
多段階認証まで取り入れると、パスワード運用としては盤石です。

パスワード保護設定を切替えセキュリティ強化

共有ファイルのパスワード保護設定は、セキュリティの強化に重要です。Windowsでは「パスワード保護共有」の設定を有効にすることで、ネットワーク資格情報を入力しないとファイルやフォルダにアクセスできなくなります。また、Windowsアップデートのタイミングで意図せずに「パスワード保護共有」の設定が切り替わる場合があります。
正しい設定方法と切り替え時の違いを覚えましょう。

パスワード保護共有の設定変更の方法

Windows11の設定変更の手順は次の通りです。
※2024年9月時点のWindows11での設定方法を記載しています。

  1. 「ネットワーク設定とインターネット設定」を選択
  2. 「ネットワークの詳細設定」を選択
  3. 「共有の詳細設定」を選択
  4. 「ネットワーク探索」と「ファイルとプリンターの共有」がオンになっているかを確認
  5. 「すべてのネットワーク」を選択
  6. 「パスワード保護共有」をOFFにする

パスワード保護共有の有効と無効に設定したときの違い

有効と無効を切り替えたときの違いは以下のとおりです。

設定 動作
有効
  • 共有フォルダにアクセスするとユーザー名とパスワードを聞かれる
  • スキャンしたデータが設定変更したフォルダに保存されない
無効
  • ユーザー名とパスワードを聞かれない

無効に切り替えてもパスワードを聞かれる場合の対処法

設定を無効に切り替えてもパスワードを聞かれる場合は、Guestアカウントのパスワード設定を「空欄」にすることで解決できます。

設定手順 :

  1. 「スタートボタン」を右クリックして、「コンピューターの管理」を選択。
  2. 「コンピューターの管理」画面の左メニューから「ローカルユーザーとグループ」の左隣りにある「>」をクリック。
  3. 「Guest」で右クリックして、パスワード設定を選択。
  4. 警告メッセージ「Guestパスワードの設定」が表示される。
  5. 「続行」をクリック。
  6. 「新しいパスワード」と「パスワード確認入力」が空欄であることを確認して、「OK」をクリック。
  7. メッセージ「パスワードは設定されました」を確認したら「OK」を押す。
以上が設定の手順です。
「パスワード保護共有」の設定変更と合わせてご確認ください。

パスワード確認の有無は共有する相手を変更することで可能

「パスワード保護共有の設定変更」を変更するほかに、共有をする相手を変更してパスワード確認の有無をコントロールできます。

チーム内でファイルを共有して作業する場合、アクセスするたびにアカウント名やパスワードを入力するのは手間がかかります。

共有するフォルダの設定を「Everyone」へ変更すると、パスワードを聞かれず効率がよいです。

ただし、設定変更したあとは誰でもファイルにアクセスできる状態なので注意が必要です。

共有するフォルダの設定を「Everyone」へ変更するとパスワードを聞かれない

共有する相手を変更する手順をご説明します。

  1. パスワード保護共有の設定を、「パスワード保護共有を無効にする」に変更。
  2. 共有したいフォルダを右クリックして、メニュー内の「共有」にマウスを合わせ「特定のユーザー」を選択。
  3. 「共有する相手を選んでください」の矢印をクリックして「Everyone」を選択。

【注意】設定を変更したあとの注意点と対処法

「Everyone」を選択すると、共有設定したフォルダに誰でもアクセスできます。 例えば、共有フォルダを保存しているノートPCを外出先でフリーWi-Fiに接続したときは注意が必要です。誰でもファイルへのアクセスが可能になってしまうからです。

そのときは、共有フォルダを右クリックして「共有の停止」を選択することで対処できます。

Macでファイル共有を設定する方法

ここまで、Windowsのファイル共有設定について説明しました。

Macも同様に、同じネットワーク上にPCがあればファイル共有が可能です。すべてのユーザーと共有することも、限られたユーザーのみアクセスを許可する設定を行うこともできます。

※2024年9月時点のmacOS Sonoma 14での設定方法を記載しています。

ファイル共有の設定方法

  1. アップルメニュー (リンゴのマーク)>「システム設定」を開き、サイドバー内の「一般」 をクリックしてから「共有」をクリック
  2. 項目の中から「ファイル共有」をオンにし、右にある「情報」ボタン をクリック
  3. 必要に応じて、「すべてのユーザにフルディスクアクセスを許可」をオンにする
  4. 共有する特定フォルダを選択するには、「共有フォルダ」リストの下部にある「+」ボタンをクリックしてフォルダを追加。フォルダが共有されないようにするには、「共有フォルダ」リストでそのフォルダを選択してから、「−」ボタンをクリック
  5. Controlキーを押しながら共有フォルダの名前をクリックし、「詳細オプション」を選択。いずれかのオプションをクリック
    • ゲストユーザを許可
    • 暗号化されたSMB接続のみ許可
    • Time Machineバックアップ先として共有
    • バックアップのサイズを制限: <サイズ>GB
  6. 特定のユーザーまたはグループのみがフォルダにアクセスできるようにするには、「共有フォルダ」リストでそのフォルダを選択し、「ユーザ」リストの下部にある「+」ボタン をクリックしてから、以下いずれかの操作を選択
    • お使いのMacのすべてのユーザーからユーザーまたはグループを追加する場合:「ユーザとグループ」を選択し、右側のリストで1つまたは複数の名前を選択してから「選択」をクリック
    • お使いのネットワーク上の全員からユーザーまたはグループを追加する場合:「ネットワークユーザ」または「ネットワークグループ」を選択し、右側のリストで1つまたは複数の名前を選択してから「選択」をクリック
    • 連絡先から特定の人を選択し、その人たちの共有のみのアカウントを作成する場合:「連絡先」を選択し、右側のリストで名前を選択してから「選択」をクリック。パスワードを作成後「アカウントを作成」をクリック
  7. ユーザーのアクセスレベルを指定するには、「ユーザ」リストでユーザーを選択後、ユーザー名の横にあるポップアップメニューから以下のいずれかを選択
    • 読み/書き:ユーザーはフォルダのファイルを表示し、別のフォルダにコピー可能
    • 読み出しのみ:ユーザーはフォルダの内容を表示可能。一方で、そのフォルダへファイルをコピーすることは不可能
    • 書き込みのみ(ドロップボックス用):ユーザーはフォルダにファイルをコピー可能。一方で、その内容を表示することは不可能
  8. 「完了」をクリック

ファイル共有はオンラインストレージでも可能

オンラインストレージとは、インターネットを通してデータを保存できる仕組みです。インターネット上にデータを保存するスペースを設け、そこにデータを保存するのでさまざまなデバイスからアクセスが可能です。

オンラインストレージの主な機能は以下のとおりです。

  • ファイル共有
  • 自動データバックアップ
  • ファイル転送

ファイル共有はオンラインストレージ上でも行えます。社外の人も情報にアクセスできる点が、社内のサーバーとの違いです。パスワード設定の他、細かな設定も可能で効率的かつ安全にデータを活用できます。

自動データバックアップは、社内サーバーに比べると手動バックアップの手間がなくなるとともに、災害や火災などの万一のリスクにも備えることができます。ファイル転送は、URLのみを送付する形式なのでセキュリティ面で強みがあります。

また、オンラインストレージは無料版と有料版があり、それぞれメリットやデメリットもあるので注意が必要です。

無料版と有料版の比較

無料版 有料版
容量 容量に制約がある 大容量で利用可能(1Tを超える大容量)
セキュリティ セキュリティ機能が少ない セキュリティ機能充実
  • 詳細なアクセス制限管理
  • ファイル転送時のパスワード設定やダウンロード制限
その他 データが一時保管のみの場合がある 転送速度が速い

無料版は、コスト面や基本的な機能は有料版と変わらないのでメリットはあります。しかし、コンプライアンスで利用を禁止している企業もあるので確認が必要です。

有料版/無料版オンラインストレージ

有料版

サービス名 主な機能 特徴 参考価格
GigaCC ASP
  • ファイル共有
  • ファイル送信
企業間における大容量のファイル送受信/共有が可能
  • PPAPの代替
  • ファイルアップロード/ダウンロードの自動化
  • 柔軟なセキュリティポリシー設定が可能
  • 詳細なログ管理
別途お問い合わせ
Bizストレージ ファイルシェア
  • 共有フォルダ
  • ファイル送受信
  • ウェブブラウザのみで1GBのファイルをやり取り
  • 月額15,000円(税抜き)~の定額制で最大1万人使用可
  • セキュリティ機能が豊富
15,000~200,000円(税抜き)
Fleekdrive
  • ファイル暗号化
  • ウイルスチェック
  • アクセス制限
  • 操作が簡単で使いやすくファイル共有を効率化
  • セキュリティ機能が充実
  • 国内の複数拠点でのデータ保管などBCP対策に効果的
1ユーザー月額600~1,800円

無料版5選

サービス名 説明
Googleドライブ
  • 無料で容量15GB使用可能
  • Googleアカウントを使用すればすぐに使用可能
  • ファイルやフォルダごとに共有できる
  • 「閲覧のみ」「コメントのみ」などの設定が可能
セキュアSAMBApro
  • 容量5GB使用可能
  • 法人向けに特化しており、企業規模問わず利用可能
MEGA
  • 大容量20GB(バックアップ領域に最適)
  • ストレージだけでなく、最大1時間の通話/ミーティングができる機能付き
Teraクラウド
  • 容量10GB使用可能
  • サーバーのすべてを国内運用しているので、転送速度が安定して高速
firestorage
  • 容量2GB(ログインが30日ないとファイルが削除)
  • ファイル転送機能に特化
  • ダウンロードURLを取得して使用(保存期限とパスワードを設定可能なためセキュリティに問題なし)

まとめ

ファイル共有は、情報に同時アクセスができ業務効率化につながります。メリットを生かすには、セキュリティ対策を十分に行うことが必須です。

セキュリティインシデントは、個人が注意しただけではなくなりません。

「システムやファイルに対する適切な設定を行う。」
「自社の業務形態に合った製品を導入。」

これらを行うことで、はじめて効果が出ます。本記事を十分に活用し、安心・安全で効率的な業務につなげていただければ幸いです。

※本記事における価格情報記載はすべて税抜表記です。
※Microsoft、Windows、Windows 10およびMicrosoftのロゴは、米国およびその他の国におけるMicrosoft Corporationの登録商標または商標です。
※その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

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