グローバルセキュアデータ転送サービス
テレワークが急速に広まった昨今、業務上必要なデータのやり取りをリモートで行う必要性も増しています。これまでは、データの受け渡しに社内サーバーやUSBメモリなどを利用できましたが、テレワーク環境ではクラウドサービスなどの代替手段を検討する必要があります。
なかでもメールなどで送付できない大容量データを効率的かつ安全に送付できる手段を知っておくことが大切です。
大容量でもデータの送付ができるファイル転送サービスやビジネスチャットツールを用いた方法を紹介しながら、最後にクラウドサービスを利用したデータ共有についても説明します。
※本記事に掲載している情報は2024年9月時点のものです。
目次
グローバルセキュアデータ転送サービス
重要データを「安心、高速、簡単」に転送。
企業間の重要かつ大容量のデータを高速で安全に転送します。
「大容量のファイルを送りたい」というときに一般的に用いられるのがファイル転送サービスです。
メールに添付できない大きな容量をウェブを通じて送ることができる便利なサービスです。
ファイル転送サービスを利用することのメリットは、リンク先を知らせるだけの手軽さと、しっかりとしたセキュリティにあります。
本来相手にデータを渡す際には、自分のPCからデータをUSBやDVDなどにコピーし、直接渡す必要があります。その場合手間や費用がかかったり、紛失してしまったりするというリスクが出てきます。
しかし、ファイル転送サービスを利用すればファイルを格納してサーバーのリンク先を送るだけでいいので、デスクの前から離れることなく業務を行うことが可能です。
相手に手渡しや郵送する手間がなく、確実にデータを渡すことができるので時短で安心です。 また、複数の宛先や異なる内容のファイルを送る際にも簡単に行うことができ、応用が利きます。
しかし、紛失はしないけれどセキュリティの不安が残ると思われた方もいるのではないでしょうか。
ファイル転送サービスはサーバーへデータを転送する際に、SSL暗号化されるようになっています。パスワードなどを入力しない限りアクセスや複合もできず、第三者にデータ内容を傍受される心配がありません。
便利でメリットしかないように思われるファイル転送サービスですが、気をつけておかなければいけないことが1点あります。相手に届いているかの確認です。
こちらから転送したと思っていても、相手に届いていなければ意味がありません。 転送サービスはその判断が難しく、相手になんらかのアクションを起こしてもらうかこちらから連絡を取る必要があります。 しかし、ファイル転送サービスによっては送信したファイルがダウンロードされたか確認できたり、誤送信時は送信後でもダウンロード用URLを無効化できたりするなどのサービスもあるので検討してみてください。
大容量ファイル送信の際に想定される主なリスクは、データ漏えいリスクと不正アクセスのリスクです。
それぞれについて、詳細を説明します。
データ漏えいとは、送信中のファイルが第三者に不正に取得されることを指します。データ漏えいが発生する原因は、ハッキング、マルウェア、内部の不正行為など、さまざまです。特に、インターネット経由で大容量ファイルを送信する場合、データがネットワークを通過する際に悪意をもった第三者によって傍受されるリスクが高まります。
ファイルが正しく保管・共有されていない場合や業務フローが整備されていない場合、誤送信やアクセス制御の不備によってもデータ漏えいは起こり得ます。
例えば、送信先のメールアドレスを間違えると、機密情報が意図しない相手に届く危険性もその一つです。また、アクセス制御が適切に設定されていない場合、許可されていないユーザーがファイルにアクセスする可能性もあります。
データ漏えいを防ぐためには、暗号化技術の利用、パスワード保護、多要素認証、セキュアなファイル転送プロトコルの採用、アクセス制御、業務フロー整備の徹底などが重要です。これにより、送信中および保管中のデータを保護し、機密情報が第三者に漏えいするリスクを大幅に軽減することができます。
不正アクセスとは、権限を持たない第三者がファイルにアクセスし、機密情報を盗み取ったり、改ざんしたりする行為を指します。
不正アクセスのリスクを軽減するには、強力なパスワードを設定し、ファイルを暗号化して送信することを常に心がけておく必要があります。
また、信頼できるファイル転送サービスを利用し、アクセス制御を徹底することで、送信中のデータを保護し、不正アクセスを防ぐことも可能です。
クラウドソフト以外の共有方法として、文書管理システムとビジネスチャットを使いこなす方法があります。
それぞれのツールの詳細について説明します。
文書管理システムとは、データ化された文書の作成から廃棄までの一連の流れを適切に管理するためのシステムのことをいいます。
簡単にいうと、ファイルを正しく作成し、保管しながら活用して、廃棄することを目的としたツールです。
システム内でファイルを保管できるため、送りたい大容量ファイルの格納先情報をあらかじめ送信先へ伝えておくと、閲覧・ダウンロードしてもらうことができるようになります。
共有の際は、オンプレミス型の文書管理システムの場合、共有用のフォルダを作成して、名前と場所を通知します。クラウド型では、URLを通知するだけです。
文書管理システムは、適切にファイルを管理でき、その一環として大容量ファイルを安全かつ効率的に送信することもできるシステムです。
文書管理システムを利用するメリットとして、ファイル送信の際に求められるワークフローの効率化が挙げられます。
文書管理システムは、適切に文書を管理するためのシステムとして、契約書や稟議書などを適切に扱うための機能も備えています。
ワークフローの補助機能では、文書管理システムで稟議書を共有した後、自動で回覧や承認の依頼が届き、システム上で決裁まで完了する一連の流れを管理することができます。
また、電子帳簿保存法に準拠する形式で帳票類を送付・保管するためのタイムスタンプ機能が搭載されているシステムもあります。
効率の良さを求める場合、文書管理システムはファイル送信だけでなく、その他の業務を効率化したい場合にメリットを発揮してくれるでしょう。
便利な文書管理システムですが、操作がわかりにくく、面倒に感じることもあります。
便利機能の多さのために、ツールの管理や操作を面倒に感じてしまうのはデメリットの一つです。
例えば、代表的な機能の保管期限を過ぎたファイルの自動廃棄は、不要なファイルを溜め込まずに済む便利な機能ではありますが、ファイルの登録時に保管期間を設定する手間が発生するなど、運用担当者の負担が大きく工数が増えるデメリットがあります。
なによりも、便利な文書管理システムを使いこなすためには、ある程度の勉強と慣れが必要です。
多様な機能を使いこなすためには、ある程度の手間がかかることも認識しておきましょう。
ファイル転送サービスとは別の手段として挙げられるのが、ビジネスチャットツールを使って転送する方法です。
ビジネスチャットツールの大きなメリットは、相手への確認の即時性とチャットルーム内での格納です。
ビジネスチャットツールは利用者がリアルタイムでメッセージを送れるシステムです。スマホでいうLINEのようなアプリケーションで気軽にメッセージが送れ、即座に相手にメッセージが届く仕組みになっています。
メッセージだけでなくファイルの添付もできるので、迅速なやり取りが可能です。同じ場所で同じ画面を見ながら話しているかのように応対できるのが特徴です。
データを間違えて削除してしまった場合、バックアップを取っていないと復元できず相手側に再度送ってもらわなければいけません。
ビジネスチャットツールは、送信したメッセージやファイルは削除しない限りチャットルーム内に残り続けるので、もしものときでも安心です。 あとからどんな内容だったか確認したいときや、自分のファイルを間違えて削除してしまった場合でも遡ればもう1度確認することができます。
速さと手軽さが魅力的なビジネスチャットですが、ファイル容量に制限があることと、ファイルの誤送信に気をつけなければいけないというデメリットがあります。
チャットツールは無料の場合ファイルストレージが合計5GB程度までしか対応できません。
無料のトライアル期間中や有料になれば容量を大きくできる場合もありますが、いくら低額でも月々の課金は負担になるので慎重にしたいところです。
ビジネスチャットツールは、一対一ではなく不特定多数での会話が可能です。どこにいても社内や社外の関係者などと、簡単に会議やコミュニケーションが取れるというのが最大のメリットです。
しかし、一方で個人に渡したいファイルをそのグループチャットに入れてしまうと、直接関係のない他の人にまで見られてしまう可能性があるため注意が必要です。
ファイルを送る際は、誰に送るのかを確認し事前に個別でルームを作り送付間違いがないように気をつけましょう。
上記で説明したファイル転送サービスやビジネスチャットツールのデメリットをカバーできるのがクラウド共有です。
クラウド共有とはオンライン上にある画像や文章のファイルをアップロードすることで簡単に相手と共有できるサービスで、オンライン会議やチャットなどの機能もあり場所を選ばずに作業できます。
クラウドストレージは無料で大容量を格納できるのも大きなメリットです。
自分のPCのハードディスク代わりにできる容量が十分確保できます。
しかし、どれでもいいわけではなくサービスによって無料で使用できる容量が大きく違うので、使う規模を考えどれぐらいの容量が必要になるのかを見積もってから選びましょう。
また、複数のサービスを利用することで大容量を課金なしで使うこともできるのでおすすめです。
企業にとってデータはビジネス資源の1つです。その重要なファイルを管理するうえで、安全性を欠かすことはできません。
ファイル共有サービスはファイルの管理などを暗号化、情報漏えいを防ぐセキュリティ対策がしっかりとされています。また、チームやプロジェクトなどでアクセス権を設定できるなど、ユーザーごとにアクセスできる範囲を変えることが可能です。
オンライン上にファイルが保存されているため自分が見ている画面そのままを相手と共有し確認することができます。
1人の相手ではなく複数のユーザーで業務を進めることが可能なのでファイルの重複やミスなどが減り、結果的に業務の効率化につながります。
社内外とのデータのやり取りは必要不可欠な業務です。ビジネスにおいてスピードが重要とされるなかで、USBや書類などの物理的手段よりもクラウド上でのデータやり取りの方がより迅速にデータを授受することができます。
そこでネックになった容量不足やセキュリティ問題をしっかり補うことができれば、確実に企業に有益なものとなることでしょう。
1つの方法に縛られず、企業に合ったサービスを掛け合わせ有効活用することをおすすめします。
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