誰もが理想のキャリアに向かって「100人いれば100通りの育成と成長」を実現するために、2023年度より社員の人財育成システムを刷新しました。今回は、キャリアプランサポートプログラムの責任者の2人に、人財育成に対する思いを聞きました。
かつては新人研修を終えた後、配属されてからの教育は上長次第という面が強かったように思います。ですから教わること、身につけるスキルにもばらつきがありました。それを改革して、新入社員から9年目までの社員に幅広く、手厚くサポートすることにしました。
具体的には、SE職および営業職の人財像を9つに分類し、それぞれ成長のステップをキャリアマップとして可視化しました。それを活用して社員一人ひとりとキャリア面談を行い、個人別のキャリアプランを作成してもらいました。
最大のポイントは、社員の「自分のなりたい姿」を見える化したことです。自分の将来像を考えてもらい、そこから逆算して必要な取り組みを明確にし、キャリアアドバイザーや上長からアドバイスをもらいながら、キャリアプランを作成していきます。キャリアプランは作りっぱなしではなく、9年目までは毎年面談をして進捗を確認しつつ、必要があればしっかりコミュニケーションを取ったうえでプランの見直しも行います。
はい。1年目の「モノづくり実習」は少人数のグループを作って実習を進めるのですが、それぞれのグループに社内インストラクターが付いて、技術面だけでなく日々の生活全般をサポートします。
これまでは実習の過程でつまずいたり困ったことがあっても、相談をためらうこともあったようです。しかし、社内インストラクターがしっかり寄り添うことで、その場で解決できるようになってきました。また、実習で上がってきた課題には、インストラクターと実習事務局の我々(教育部門)とで定期的に情報を共有し、改善を図っています。
社内インストラクターをSEとして経験を積んできた社員が担うことは、当社の仕事や働き方を知り、理解する上で意義がありますね。
はい。配属前に、先輩社員への相談の仕方やチームでの働き方を身に付ける機会になると思います。ただ、社内インストラクターは男性が多くなる傾向があるため、ダイバーシティの観点から、女性の多い実習事務局のメンバーにも気軽に相談できるようにしています。
2年目と3年目についてはOJT指導員が業務をサポートします。3年目からはキャリアアドバイザーが上長とともに定期的な面談を行い、自律的な取り組みを支援します。4年目になるとOJT指導員として後輩の育成を担う社員も多いですね。
はい。業務を覚えながらめざしていただく具体的な目標は、日立グループのプロフェッショナル認定制度を活用して、専門性を高めることです。
そのために必要な資格や業務経験などの要件がいろいろとありまして、私たちはそのために必要なステップを整理して、キャリアマップ・スキルマップに明示しました。要件を達成することで日立の技術者として認定され、一定の評価を得られます。
従来は経験を積んでいく中で「挑戦してみたら?」と声がかかる場合が多かったのです。でも、経験が浅い時から計画的に取り組んで順番に認定を取得していき、チャンスがきたらすぐに仕事を引き受けられるスキルが身についている状態をめざします。これもプログラムの目的の1つです。
はい。対象の社員だけではなくOJT指導員や職場の上長、キャリアアドバイザーなど、多くの社員が自分事として考え関わる「全社での取り組み」になりました。これは大きな収穫だったと思います。
そうですね。まだ刷新して1年目なので制度を整えている段階ではありますけれども、各事業部の教育に対する意識は間違いなく高まっていますし、手応えを感じています。これからさまざまな結果や課題が出てきますから、それを踏まえてより良いプログラムにしていきます。
キャリアプランサポートプログラムは今後も充実を図っていきますが、主人公は皆さん一人ひとりです!変化を恐れない気持ちやチャレンジし続ける強い思いがあれば、可能性は広がると考えています。
若いうちは失敗を経験することも大切ではないでしょうか。失敗して悔しい思いをすることで成長に結びつくこともあると思うのです。そういったところも含めてサポートするのがこのプログラムです。