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  • 2022.10.01
  • 2022.10.01
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防犯カメラの保存期間はどれくらいが適切?過ぎるとどうなる?

秘密分散 フォー ビデオ

防犯カメラを購入・設置するにあたって、必ずチェックしておきたい項目は「保存期間」です。記録した映像はどれくらい保存されるのか、保存期間を過ぎるとどうなるのか、などは、防犯カメラの運用業務やコストにかかわります。
また、防犯カメラの適切な保存期間について気になっている方も多いでしょう。そこで今回は、防犯カメラの適切な保存期間やその設定方法、保存期間が過ぎるとどうなるかなど、保存期間の基礎知識をご紹介します。

※本記事に掲載している情報は2022年9月時点のものです。

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防犯カメラの保存期間はどれくらい?

防犯カメラの保存期間はさまざまな要素によって変わるため、一概にこれくらいといえるものではありません。ちなみに防犯カメラの保存期間は次のような要素で変動します。

  • 記憶媒体の容量
  • 映像の解像度
  • フレームレート(fps)の設定

防犯カメラ映像が必要な活用シーンにおいて、映像の保存期間が想定より下回ってしまうと防犯カメラの役割が半減したり、追加コストが発生したりします。そのため、防犯カメラの保存期間は事前にチェックし、適切な保存期間で映像を記録することが大切です。

ちなみに、フルHDの映像を30fpsで記録した場合、1TBの容量で保存できる映像はおおよそ3日間程度と言われています。

保存期間を過ぎると防犯カメラ映像が見れないため要注意

防犯カメラの映像が所定の保存期間を過ぎると、古い映像が削除され新しい映像が上書きされていきます。保存期間が3日間だとすると、4日前の映像は確認できないということです。

ほとんどの防犯カメラは、保存期間に違いはありますが「期間を過ぎた映像は見れない」という点で共通しています。だからこそ適切な保存期間を設定し、かつ、その保存期間分しっかりと映像を記録してくれる防犯カメラ、そして記憶媒体を選ぶ必要があります。

防犯カメラの保存期間を左右する要素

それでは、防犯カメラの保存期間を左右する要素について詳しく解説していきます。

HDDなど記録媒体の容量

防犯カメラに使用される記憶媒体は主に4つあります。

  • SDカードやUSBメモリ
  • HDD(ハード・ディスク・ドライブ)
  • SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)
  • オンラインストレージ

SDカードやUSBメモリは、フラッシュメモリ(半導体素子を使った技術)を内蔵しデータを記録する媒体です。小型なので持ち歩きに便利であり、最近では2TBと大容量の製品も登場しています。

HDDは内部に備えたハード・ディスクにデータを書き込む記憶媒体です。容量あたりの価格が安価で、大容量化も可能なため普及が進みました。最大で16TBの保存容量を持つHDDもあるため、防犯カメラのデータも長期間保存できます。

SSDはフラッシュメモリを全面的に採用した大容量の記憶媒体です。外見はHDDに似ていますが、内部はフラッシュメモリを搭載しているので読み書きが早く、なおかつ機械部分が少ないため耐衝撃性に優れています。

オンラインストレージとは、インターネット上に用意された記録媒体のことです。防犯カメラをWi-Fiに接続することで、特定のオンラインストレージに映像を記録できます。理論上、保存容量が無制限なので長期間の映像保存にも使用できます。

これらの記憶媒体の容量が、防犯カメラの保存期間を決める第一の要素です。オンラインストレージを除けば保存できる容量が決まっているため、それによって保存期間の絶対値も決まります。

映像の解像度

解像度とはいわゆる「画素数(px)」のことです。画素とは映像・画像の最小単位であり、ごく小さなドットのような電子部品だと思ってください。PCやテレビなどの画面には、このドットが無数に並べられて映像を映し出しています。

近年主流の解像度はフルHD(フル・ハイビジョン)と呼ばれており、1,920px × 1,080pxで「207万3,600画素」となっています。フルHDの上位にあたるのが4Kで解像度は「829万4,400画素」、さらに上位にあたるのが8Kで解像度は「3,317万7,600画素」です。

一般的に映像の解像度が高いほど映像データの容量も大きくなります。8Kの解像度はフルHDの約15倍なので、単純計算で映像データの容量も15倍大きいということです。

ただし、防犯カメラの用途を考慮すると4Kや8Kといった解像度は必要なく、最大でもフルHDを採用すれば精彩な映像を保存できます。また、フルHDの下にはハイビジョン(92万1,600画素)や、960H(アナログ(30万7,200画素)などの規格があります。

フレームレート(fps)

映像とは実際のところ、連続的かつ無数の画像を集めたものです。フレームレートは、その画像を1秒間に何コマ撮影するかを決める単位となります。つまり30fpsなら1秒間に30コマの画像を撮影し、これをつなげて映像にしています。

参考までに、映画館で上映される映画のほとんどは24fps、高品質の映像を要求するオンラインゲームでは60fpsとなっています。人間の目でスムーズに確認できるフレームレートは30fpsと言われているので、一般的な防犯カメラとしての役割を持たせる場合は、30fpsで映像を記録することが多いでしょう。映画が多少ぎこちなくても問題ない場合は5fpsなど低フレームレートで設定することもあります。

フレームレートを上げるほど1秒あたりに撮影するコマ数が増えるため、当然ながら保存容量も増えていき、それに反比例して保存期間が減ります。

防犯カメラの適切な保存期間と、設定する方法

防犯カメラの適切な保存期間は、何を監視するのか、なぜ監視するのかという目的によって変化します。ここではその設定方法をご紹介します。

防犯カメラの目的を明確にする

防犯カメラの目的は「何かを監視すること」ですが、その対象によって細かい目的が変わってきます。

例えば玄関口に不審な人物がいないかどうか、建物に不正侵入されていないかどうかをチェックすることが目的なら、少なくともハイビジョンレベルの解像度と24fps程度のフレームレートが必要です。

さらに、不審者の顔や表情まで確認したい場合はフルHD、30fps以上のフレームレートが必要になるでしょう。

一方で、防犯カメラをセキュリティ目的で設置はするものの、不審者に対して「監視しています」とアピールすることに主眼を置いているのであれば、低解像度・低フレームレートでも問題ない場合があります。

まず、こうした目的によって映像のデータ容量が決まり、映像を保存できる期間の絶対値が決まります。

必要な保存期間について考える

次に必要な保存期間を考えてみましょう。

例えば防犯カメラ映像に不審者が映り込んでいないか、毎日チェックする習慣があればそもそも長い保存期間は必要ありません。7日間程度の保存期間を設定すれば十分であり、容量ギリギリまで保存しなくてもよいのです。余った保存容量は、不審者が確認できた映像を別途保存するためのスペースとして残せます。

一方で、生産工場内のライン業務を監視する目的で設置する防犯カメラの場合、製品不良によるクレームなどの問題に備えて長期間保存する必要があります。製造した商品が市場に投入されるまでの期間と、不良が発覚するまでの一般的な期間などを考慮して保存期間を1年以上設定するケースもあります。

このように、防犯カメラの適切な保存期間とは「何を目的とするか?」を掘り下げることで決められます。

防犯カメラの保存期間を伸ばす方法

防犯カメラの保存期間は、カメラの設定等を変更することでも伸ばせます。ここではその方法をご紹介するので、防犯カメラ設置時の参考にしてみてください。

解像度やフレームレートを調整する

防犯カメラによっては解像度やフレームレートを調整できる場合があります。前述のように低解像度・低フレームレートほど保存期間が伸びるため、防犯カメラの設置目的を考慮して適切な解像度とフレームレートを設定しましょう。

録画する時間帯を限定してデータ量を少なくする

録画する時間帯を限定するというのもデータ量を少なくし、保存期間を伸ばす方法の1つです。

たとえば会社に誰もいないときに玄関口に不審者が現れないか、不正侵入されないかを監視するのが目的なら、平日勤務時間帯はそもそも監視する必要がないケースもあります。

また、防犯カメラによっては動体検知機能により動きを検知した場合だけ映像を記録することもできるため、録画時間を限定して保存期間を伸ばすこともできます。

記録媒体の保存容量を増やす

保存期間を伸ばすためのシンプルな方法が、記憶媒体の保存容量を増やすことです。例えば社内LANに接続して映像を記録できるNAS(ネットワーク・エリア・ストレージ)製品の中には、複数のNASが持っている保存容量をストレージ・プール化して、1つの大きな記録媒体として扱えます。

必要な保存容量が増えればNASを追加していくだけでより多くの映像を記録できるため、メンテナンス負担も軽減できるでしょう。

クラウドカメラを利用する

保存用量を増やす方法の1つとして、「クラウドカメラを利用する」という選択肢もあります。クラウドカメラは映像データをオンラインストレージに記録していくため、理論上は保存容量を気にせず使用できます。

また、遠隔での映像確認も行えるため、保存期間を伸ばせるだけでなく防犯カメラの活用シーンを広げてくれます。

【重要】防犯カメラはバックアップが欠かせない

防犯カメラを設置するうえで欠かせないのが「映像データのバックアップ」です。バックアップとは、映像データのマスタや圧縮されたものを別の記憶媒体に保存することを意味します。バックアップを必要とする理由は2つあります。

1つは「映像データの消失に備えること」です。防犯カメラの映像は記録媒体に保存されるため、記録媒体の不具合や故障によってデータが消失する可能性があります。

例えばSDカードやUSBメモリ、SSDに搭載されているフラッシュメモリは「不揮発性メモリ」といって、電気信号がなくてもデータ保持が可能という優れた点を持ちます。一方で、不揮発性メモリには読み書きの上限が決まっており、上限を超えるとデータが正しく保持されない可能性が高いのです。

このため長期間使用したSDカード、USBメモリ、SSDは過去のデータを正しく読み取れない可能性があります。また、HDDは衝撃に弱いため何らかの原因によって故障し、内部の映像データも消失してしまうかもしれません。

もう1つは「長期保存データの効率性を高める」ことです。映像データを1年間保存するケースを想定してみましょう。撮影時のデータをそのまま1年間保存するとなると、膨大な容量を必要とします。

そこで、撮影から1カ月を経過した映像データはエンコード(圧縮または変換)して別の記録媒体に保存します。すると映像データをそのまま1年間保存するよりも保存容量を少なくでき、効率性が高まります。

企業によっては防犯カメラ映像の提供を求められた場合に備えて、長期保存しなければいけないケースもあるでしょう。そうした場合は上記のようなバックアップ方法を取ることで、保存容量にかかるコストを削減できます。

防犯カメラ管理に最適な「秘密分散 フォービデオ」とは

防犯カメラにとって、適切な保存期間を設定することも大切ですが、防犯カメラ全体を適切に管理することはさらに重要です。数台〜数十台の防犯カメラで記録した映像データや、防犯カメラそのものを管理するのは決して簡単な作業ではありません。多くの工数がかかり、それだけ多くの人件費もかかります。

そこで、日立システムズエンジニアリングサービスが提供する「秘密分散 フォービデオ」をご検討ください。

「秘密分散 フォービデオ」とは、クラウドカメラで撮影した映像を、ハイレベルなセキュリティ体制でクラウド保管し、さらに複数拠点にまたがった無数の防犯カメラを統合管理できます。

防犯カメラごとに一定期間を過ぎた映像データを自動的に削除でき、防犯カメラの状態監視も行えます。故障・不具合があれば即座に通知が届くため、防犯カメラのメンテナンス効率もアップできます。

まとめ

防犯カメラの適切な保存期間は一概にこれといえる期間がないため、今回ご紹介したように防犯カメラを設置する目的から設定してみましょう。適切な保存期間を設定できれば保存容量の節約になり、防犯カメラとしての役割をしっかりと果たせるようになります。本記事が防犯カメラの保存期間を適切に設定する助けになれば幸いです。

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※ZENMU Virtual Desktopは、株式会社ZenmuTechの製品です。
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