秘密分散 フォー ビデオ
ネットワークカメラの普及により、監視カメラ・防犯カメラを気軽に設置できる時代です。しかし、気軽に設置できるからこそ注意すべき事柄もいくつかあります。その1つが「セキュリティ対策」です。
Wi-Fiやインターネットに接続するネットワークカメラには、従来にはなかったセキュリティリスクが潜んでいます。そこで今回は、ネットワークカメラに潜むリスクや欠かせないセキュリティ対策などをご紹介します。ネットワークカメラの乗っ取りなどにより実害を生まないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
※本記事に掲載している情報は2024年9月時点のものです。
目次
秘密分散 フォー ビデオ
暗号化よりハイレベルのセキュリティでの映像データの保管・管理を実現。
手軽に&セキュアにクラウドへ保存!
ネットワークカメラ(別名、P2Pカメラ)を利用する際に警戒すべきなのが「不正アクセス」や「ハッキング(乗っ取り)」といったセキュリティリスクです。
ネットワークカメラにセキュリティリスクが生じると、カメラ本体や映像データが悪用されるかもしれません。特に注意すべきリスクを4つ紹介します。
ネットワークカメラはインターネットを介して映像を撮影するため、セキュリティ対策のレベルが低いと、悪意のある第三者から不正アクセスされるかもしれません。
不正アクセスは、管理者が同じパスワードを使い続けている場合に実行されやすく、勝手に録画されたデータを覗き見られる恐れがあります。施設の重要な場所に設置されたカメラの映像が外部に漏れる場合もあるので、パスワードなどのセキュリティ対策が重要です。
不正アクセスによって管理画面に侵入されてしまうと、ネットワークカメラ自体の管理権限を乗っ取られる危険があります。カメラが乗っ取られた場合、データを抜き取られるほか、勝手に設定を変更されてセキュリティのレベルを下げられてしまうかもしれません。
管理画面を突破されないためには強固なパスワードをかけるなどして、権限を乗っ取られないようにする対策を心掛けましょう。
不正アクセスや乗っ取りに気がつかないと、継続的にカメラ映像や通信データを盗聴される恐れがあります。
外部からいつでも映像にアクセスできるようになると、不法侵入や盗難といった被害につながるかもしれません。物を盗むためにカメラに不正アクセスする悪意のある第三者もいるので、不正アクセスがすぐわかるようにセキュリティ対策を強化することが重要です。
不正アクセスや乗っ取りの被害を受けると、勝手にネットワークカメラを切断されたり、ネットワークで接続されているPCが被害を受けたりして、サービスや機器に障害が起こるかもしれません。
オンライン上での攻撃を受けてしまうと、サービスやシステムを復旧できなくなるおそれがあります。サービスの一時停止、システム復旧など多大な損害が起こるケースもあるので、不正アクセス等を防止するためのセキュリティ対策が重要です。
ネットワークカメラを狙った攻撃は、国内のさまざまな場所で発生しています。今回は、実際に起こった事件を2つご紹介します。
とある教育機関に設置された次のネットワークカメラがマルウェアに感染する事件が起きています。
第三者から教育機関の映像が閲覧できる状態になっており、子どもたちの様子がインターネットに公開されるという問題が発生しました。子どもたちを狙う悪質な人物に映像を悪用されるリスクを減らすためにも、ネットワークカメラのセキュリティ対策の強化が欠かせません。
2023年、河川情報を集めるために設置された河川ネットワークカメラが不正アクセスの被害を受け、機器に障害が起きる問題が発生しました。
河川に設置されていた約330台のネットワークカメラすべてが不正アクセスされていたことも含め、安全のために全機器を交換せざるを得ない状況まで追い込まれています。
ネットワークカメラのセキュリティ事件によって、被害者にも加害者にもならないためには基本的なセキュリティ対策が欠かせません。ここではネットワークカメラ利用時に欠かせない7つのセキュリティ対策についてご紹介します。
世界中のIoT機器を狙ったMiraiは、安易なIDとパスワードの組み合わせを狙いました。「admin」や「password」といった誰でも予測できるパスワードは絶対に避けなければいけません。
理想的なパスワードというのは、大小英字と数字、それと記号を組み合わせて10桁以上に設定されたものです。また、パスワード生成ツールなどを使ってランダムに作られたパスワードの方が安全性は高くなります。
ネットワークカメラの初期設定では「ID:root」「パスワード:admin」となっているケースが多く、このパスワードを変更せずにいるのは最も危険な行為なので注意してください。ネットワークカメラを設置して、まず最初にやるべきことは複雑なIDとパスワードを設定することです。
ネットワークカメラは「ファームウェア」と呼ばれる、映像の読み込みやパスワード保護などに必要なプログラムが搭載されています。プログラムにはセキュリティリスクが付きものであり、脆弱性が発見されると攻撃対象になる恐れがあります。
そのため、安全性の高いファームウェアを搭載しているネットワークカメラを選ぶのが、購入時に意識できるセキュリティ対策です。解像度などネットワークカメラのスペック部分だけでなく、セキュリティ部分もしっかりと確認しておきましょう。
どんなに安全性の高いファームウェアでも、セキュリティリスクを100%排除できるわけではありません。そのため、メーカーはファームウェアの更新を定期的に行います。新しいプログラムを適用することで、発見したセキュリティリスクをカバーするためです。
このファームウェア更新をおろそかにすると、セキュリティリスクが残ったままになります。更新プログラムの対応が遅れてサイバー攻撃にあったという事例は決して少なくありません。メーカーがファームウェアの更新を発表したら、すぐに対応しましょう。
ネットワークカメラだけでなく、それに接続するPCにもセキュリティ対策は欠かせません。まずは、マルウェア対策が施されているか改めて確認してください。
最近のマルウェア攻撃は高度化しており、PCに標準搭載されたマルウェア対策では不十分なケースがあります。そのため軽量かつセキュリティの高いマルウェア対策を導入し、PCのセキュリティ対策を強化しましょう。
「ポート」とはインターネットに接続する機器と、インターネットの接続口のようなものです。ポートには0〜65535番まで存在しますが、ネットワークカメラでは初期設定の状態では「80」に設置されているケースが多いでしょう。
ただし、ポートは必ずしも変更できるわけではありません。インターネット接続におけるポート番号は世界共通で決まっているため、ネットワークカメラをインターネットに接続するとなると、特定のポートが解放状態になります。
一方で、社内ネットワークを使ったクローズドな環境であれば、任意のポート番号を割り当てられるためセキュリティをアップできます。
セキュリティ事件は外部による犯行とは限らず、内部による犯行のケースもあります。そのため内部犯行を警戒するために、ユーザーのアクセス権限を管理しましょう。
総合管理者とその他のユーザーをしっかりと分け、アクセス権限を設定することで内部犯行によるリスクを低減します。また、退職したユーザーに関しては即座にアクセス権限を停止するプロセスを組む必要があります。
ネットワークカメラに限らず、退職後の社内システムにアクセスして不正を働くというケースは実際に起きています。
ネットワークカメラにアクセスできるIPアドレスを設定することにより、外部からの不正アクセスを防ぐことが可能です。ただしこの場合、特定の端末からのアクセスしか許可できないため、オンラインで映像確認したい場合は注意しましょう。
ここまでご紹介したように、ネットワークカメラには常にセキュリティリスクが存在し、それを軽減するためにさまざまなセキュリティ対策を実施しなければいけません。面倒に感じることもありますが、セキュリティ事件を起こさないためには欠かせません。
そこで、安全性の高いネットワークカメラの選択肢として「クラウドカメラ」を検討してみてください。
クラウドカメラとは、サービス事業者が提供するクラウド環境に接続されたネットワークカメラのことです。Wi-Fiにつなぐという点ではHDDやSSDを使ったNAS(ネットワーク・エリア・ストレージ)と同様ですが、映像の保存先はオンラインストレージです。
そのため、記録媒体の故障や保存容量を気にすることなく、ネットワークカメラを安定的に運用できます。
クラウドカメラには初期コストの削減などさまざまなメリットがあります。その中で、セキュリティ上のメリットとしては次のような価値を提供しています。
クラウドカメラを使った録画映像は、すべてサービス事業者が管理しているデータセンターで保管されます。多くのサービス事業者は堅牢なデータセンターを構築しているため、一般的なネットワークカメラに比べてセキュリティが格段にアップします。
また、サイバー攻撃などを想定したセキュリティ事件だけでなく、災害・火災などにも備えてデータを分散処理しているサービスが多いため、クラウドカメラを採用するだけでセキュリティ対策になります。
クラウドカメラに搭載されているファームウェアはサービス事業者が提供・管理しています。そのため、インターネット回線を通じてファームウェアの自動アップデートが行われるため、セキュリティは常に最新状態が保たれるのです。
通常のネットワークカメラのセキュリティ効果を行うとなると、複雑なIDとパスワードの設定や、PCのマルウェア対策だけでは不足しています。ネットワークを監視するツールや、ネットワーク経由での侵入を防ぐツールも必要です。これには導入コストがかかり、運用にも手間がかかります。
一方、クラウドカメラはサービス事業者が独自のセキュリティを実施しているため、特別なセキュリティ対策は不要です。IDとパスワードの変更やマルウェア対策を実施するだけで、十分なセキュリティ強化になります。
以上のようにクラウドカメラにはセキュリティ上のメリットが多く、通常のネットワークカメラを設置するよりも気軽にセキュリティ対策を実施できます。そのため、ネットワークカメラのセキュリティに不安を抱えている方はクラウドカメラの設置を優先的に検討してみてください。
クラウドカメラではさまざまなシーンで活用されていますが、次のようなシーンでの活用が特におすすめです。
会社のオフィスには機密情報を含んだ資料や記録媒体などが溢れています。クラウドカメラでオフィス内を監視すれば、内部不正によって機密情報が流出するのを防げます。また、パワハラ・セクハラなどの監視にもなるため、従業員の職場環境改善にも最適です。
工場では生産工程を監視することにより、不良率の管理や安全管理などに役立ちます。食品業者においては衛生管理制度のHACCP(ハサップ)準拠にも役立つため、今や生産工程監視に欠かせないツールです
店舗での活用は、万引きなど防犯対策としての監視や勤務状況の把握のほか、顧客トラブルが起きた際の証拠映像として残すことが可能です。飲食店などは、従業員の不適切な行動により店舗の信頼を落とさないための監視にも最適です。
ネットワークカメラの設置には、常に高いセキュリティ要件が求められます。しかし、高度なセキュリティ対策を実施するのは容易ではありません。だからこそクラウドカメラを選択し、高度なセキュリティ対策を気軽に取り入れるのが有効的です。
ハイレベルなセキュリティ対策を実施しているクラウドデータ保管&稼働監視サービスといえば、日立システムズエンジニアリングサービスが提供する「秘密分散 フォー ビデオ」がおすすめです。
オフィスや店舗、工場など各施設に設置されたクラウドカメラの映像データをオンラインストレージ上に保存するだけでなく、秘密分散技術と自社独自の分散保管技術を組み合わせ、映像データを暗号化することでハイレベルなセキュリティ対策を実現しています。もちろん、必要な時にいつでも映像を確認できるなどクラウドカメラの利点はそのままです。
個人が特定できるような映像データを保管する際は、クラウド保存はしたいがセキュリティに不安があるという方もいらっしゃるでしょう。そうしたケースでもご安心ください。保存した映像データは無意味なデータピースに変換され、複数クラウドの分散管理することで高いセキュリティ要件をクリアしています。
ハイレベルなセキュリティ対策を備えた監視・防犯カメラのクラウドデータ保管&稼働監視サービスをお探しなら、「秘密分散 フォー ビデオ」をぜひご検討ください。
ネットワークカメラは購入して設置するだけでは終わりません。肝心なのは適切なセキュリティ対策と、継続的な運用です。
難しいセキュリティ対策の部分はクラウドカメラで解決できるので、積極的に検討してみてください。運用効率化も含めて実現するとなると、「秘密分散 フォー ビデオ」のような管理ソリューションが欠かせません。
しっかりとセキュリティ対策を実施してサイバー攻撃などの被害に遭わないためにも、今回ご紹介した内容を参考にしていただければ幸いです。
※本記事における価格情報記載はすべて税抜表記です。
※Microsoft、Windows、Windows 10およびMicrosoftのロゴは、米国およびその他の国におけるMicrosoft Corporationの登録商標または商標です。
※その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。