ページの本文へ

Hitachi
  • 2021.04.01
  • 2021.04.01
  • 物品管理システム

固定資産管理とは?業務内容や管理方法までの基本を解説

物品管理システム

固定資産管理は企業が建物や出資金、ソフトウェアなどの管理を行うことをいいます。固定資産は販売目的ではなく、企業を維持するうえで欠かせない資産なので、常に管理が必要です。とはいえ、固定資産が多ければ多いほど、管理するのが難しいのが現実です。
固定資産を効率よく正確に管理するためには、システム化がおすすめです。システム上で情報を一元化することで現状の把握ができ、見落としを防げます。この記事ではおすすめのシステムを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

※本記事に掲載している情報は2021年3月時点のものです。

物品管理システム

簡単できめ細やかな台帳管理機能と豊富なアタッチメントで、
「何が」「今どこに」「どのような状態」をリアルタイムに把握。
さまざまな運用現場における管理のお悩みを解決します。

固定資産の管理とは?

固定資産の管理とはどのようなことを言うのでしょう。これから詳しく解説します。

固定資産とは

固定資産とは事業を行う上で1年を超える長期にわたって使用するもので、投資目的や長年保有する資産のことをいいます。固定資産には有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産の3つに分類されます。

有形固定資産はその名のとおり土地や建物、車両、機械装置など目に見えるものをいいます。無形固定資産は特許権、借地権などです。最後に、投資その他資産は投資有価証券、長期貸付金などです。

固定資産は貸借対照表の資産の部に表示されます。これは会社の決算日における財産の状態を示す決算書であり、会社が所有している財産が流動資産なのか、固定資産や繰延資産なのかに区分されます。これらの資産は会社を経営するうえで必要になる事業のための資産です。

流動資産は流動性が高く、短い期間で現金化が可能な資産という意味です。具体的には決算日から起算して1年以内に現金化が可能な資産を基本的に指します。現金や預金のほかに商品やサービス、売掛金、受取手形なども流動資産のうちに含まれます。これに対して固定資産は現金化しにくい資産のこといいます。

会社が資産を固定資産と流動資産に区分しているのは、会社がずっと存続するためには資産の面で安定している必要があり、その判断をするために分ける必要があるからです。

固定資産の種類

固定資産の種類は、先ほど紹介した有形固定資産・無形固定資産・投資その他資産があります。これらをもう少し詳しく紹介します。

有形固定資産

有形固定資産は長期にわたって事業のために保持する資産のことをいいます。有形固定資産なので目に見える資産のことをいい、土地や建物、機械装置、車両のことをいいます。

土地は営業目的で使われるものであり、事務所や工場、駐車場、資材の置き場などです。ただし、不動産販売目的のために購入した土地は、売った場合は長期にわたって残らないので、固定資産ではなく流動資産となります。

建物は土地に定着して建てられているもので、事務所や工場、営業所、倉庫などのことをいいます。また、機械装置は原材料などを加工するうえで使用する機械です。ほかにも、自動車やトラック、バス、フォークリフトなど、事業のために使う車両も固定資産です。

この中でも、建物や機械装置、車両などは市場などによって価値が変動するので、価値が減ってくることがあります。このような資産を減価償却資産といいます。これに比べて土地は価値が減っていくものではないので、減価償却資産ではありません。

無形固定資産

無形固定資産は長期にわたって事業のために使われる資産ですが、経済的な収益力や法律で特別に価値が認められている資産のことをいいます。その例としては、ソフトウェアやのれんなどです。

ソフトウェアはコンピューターに一定の仕事をさせるために使われるコンピューター上のプログラムです。また、のれんは企業を買収した際に企業から取得した資産と負債の評価差額と買収するにあたって支払う対価との差額です。

投資その他の資産

投資その他の資産は企業の経営支配や取引関係の維持のために保有する資産のことをいいます。その中に含まれているのが、長期貸付金や出資金、敷金保証金などです。

長期貸付金は従業員などに対する貸付金のことを言い、返済期間に応じて短期の貸付金か長期の貸付金かに分かれます。

また、出資金は株式会社以外の合同会社や合資会社、協同組合などの企業に対する出資のことをいいます。敷金・保証金は建物を借りる際に支払う費用です。

固定資産の管理方法

固定資産の管理は取得したときに固定資産台帳に登録するのが通常です。固定資産台帳に登録するときは資産名、取得価額、事業共用日、償却方法などです。

取得価額は固定資産を使うためにかかった支払う額のことをいい、購入代金や運送費、据付費用などです。不動産取得税や自動車取得税、登録免許税、車庫証明費用などは取得価額に含めないことも認められています。また、ただし、含めない場合は租税公課や交際費などに経費として処理しなければなりません。

事業供用日は固定資産を実際に使い始めた日であり、会社にその物が届いた日や購入した日でありません。また、耐用年数は固定資産の平均的な使用可能な年数のことをいいます。

これは、種類ごとに細かく耐用年数が決まっており、耐用年数表に記載されているので確認できます。また、耐用年数表に書かれている平均年数と一致しないことがありますが、その場合は、減価償却を行う際にこの期間を使用します。

償却方法は減価償却の計算方法であり、定額法・対率法などいくつか種類があります。また、固定資産の種類や取得日によって選択できる方法は異なります。

固定資産管理の流れ

固定資産管理業務の流れは先ほども説明しましたが、固定資産を取得した時点から始まります。固定資産の管理には4つの方法があり、以下のとおりです。

会計上で管理する

固定資産は、受け取った請求書に基づいて適正な社内手続きを行い、支払いを済ませたら会計処理を行います。償却資産の場合は資産の耐用年数や償却率をもとに減価償却を算出して計上します。

固定資産の減価償却については償却率や耐用年数が法律で定められているので、適切な方法で計算する必要があるでしょう。また、その他の固定資産と新たに購入した場合は適切な会計処理をしなければなりません。

固定資産台帳に記入する

固定資産の管理は固定資産台帳に記載する必要があります。固定資産台帳は固定資産取得から処分するまでの履歴を管理するためのものであり、すでに記載されている場合は新たに取得した固定資産についてすべて記載して特定できるようにしなければなりません。

固定資産台帳は税務申告において必ず備える必要がありますが、記載する内容については特に規定はありません。とはいえ、企業内で記載する内容を決めておかないと後で内容がバラバラになってしまいます。

固定資産台帳に加入する内容の例としては、

  • 資産名
  • 固定資産管理番号
  • 取得年月日や供用年月日、除去年月日
  • 設置場所や管理部門
  • 用途
  • 取得価額
  • 数量
  • 償却方法
  • 耐用年数

などです。ほかにも、企業内でリースを使用する場合はリース資産台帳を作成して別途管理しなければなりません。リース資産台帳には、リースの期間や支払い回数、支払い間隔、基本リース科、リースの開始日と終了日などを記載します。

管理ラベルを貼る

固定資産には管理ラベルを貼る必要があります。具体的には機械や設備などに固定資産台帳上の固定資産管理番号を記載したラベルを貼ります。このラベルは固定資産を識別する際の目印になるので、棚卸の際に照合しやすくなります。必要がない場合は貼らなくても問題ありません。

管理ラベルには固定資産管理番号以外にもいくつかの記載事項があります。例えば、

  • 資産名
  • 固定資産管理番号
  • 型式
  • 取得年月日
  • 管理者名
  • 購入先
  • 保守契約先

などです。また、管理する固定資産がたくさんある場合は保管場所もその分必要になるので、管理の方法を工夫しなければなりません。多くの場合は管理システムやエクセルなどのソフトを使用しています。

また、最近ではバーコードの管理ラベルを使用することも多く、バーコードはバーコードリーダーで簡単に読み取れるので、業務の負担が減ります。また、耐用年数が長い場合は汚れることがあるので、使用環境に合わせて汚れに強いラベルを選ぶのがおすすめです。

棚卸をする

最後は棚卸です。棚卸は固定資産の管理をするうえで一番手間がかかる作業です。年に1~2回棚卸をし、固定資産台帳と実際の資産の状況を照合します。

棚卸では固定資産台帳に移動や売却、廃棄など保有している固定資産の状況がきちんと反映されているかチェックします。

また、固定資産の中で不要になったものを処分したり、勝手に処分されている資産はないかを確認したり、把握していない固定資産が加わったりしていないかを確認します。

管理ラベルを貼っている固定資産は、管理ラベルと記載事項を合わせればすぐに確認できるのでとても便利です。ラベルがなくなっている資産は登録されていないか、ラベル自体を貼り忘れていることもあります。

そのため、棚卸の際にはきちんと現物を確認して、必要がある場合は再発行や再貼り付けをするようにしましょう。

また、棚卸では現物があるかどうかを確認するだけでなく、きちんと稼働しているのか、破損していないかの確認も大事です。破損している場合は固定資産台帳に記載して共有するようにしましょう。

固定資産管理の方法

固定資産の管理の方法には固定資産管理システムやエクセルなどがあります。また、無料のシステムなどもありますが、管理項目が少なかったり、十分に使えないなどのデメリットがあります。今回はエクセル上で固定資産を管理する方法を紹介します。

エクセルで管理する

エクセルで管理する場合は無料のテンプレートを使用して管理することができます。無料のテンプレートでは管理項目が入力された固定資産管理の台帳のテンプレートがあるので、さまざまなサイトからダウンロードできます。

管理の項目は変更することができるので、固定資産の種類などに合わせて変更して使えます。また、テンプレートでは減価償却の計算を自動化して使うことも可能ですが、方法はさまざまなのでそれに合わせた計算式を入力しなければなりません。

エクセル上で自作の表計算ソフトを作る場合は次の手順が必要です。

  • 項目を決める
  • 固定資産管理台帳のテンプレートをダウンロードする
  • テンプレートに資産状況を入力する
  • 定期期に棚卸をして内容を更新する

固定資産の管理は決まったテンプレートがないので、先ほど説明した無料のテンプレートを使うか、自分で項目を決めて表計算ソフトを作成しなければいけません。また、複数人で作業する場合は各人が担当する範囲を分けておくのがよいでしょう。

固定資産管理システムを導入する

固定資産管理ができる無料のソフトやシステムはたくさんあり、固定資産管理台帳も作成できます。作業が効率化されるので非常に便利です。

固定資産のシステムは無料のもあれば有料のシステムもあります。また、製品によって役割や機能が違い、選定する際にはしっかりと見極める必要があります。固定資産の管理をするうえでは現物管理の機能がある製品を選ぶのがよいです。

これは必須条件といっても過言ではなく、現物管理がシステムによって効率化されることで、固定資産の管理に関わる人員や作業時間を大幅に減らせます。

固定資産の管理システムを利用したい人はぜひさまざまな製品を検討してみてください。

固定資産管理システムのメリット

固定資産管理システムにはどのようなメリットがあるのでしょう。これから固定資産管理システムのメリットを2つ紹介します。

固定資産が適切に使用できる

固定資産の数が多いと管理が甘くなりがちですが、システムを使うことで適切に管理できます。

また、不適切な使い方をすると破損したり無くしてしまうことがあったりするなどさまざまな問題が生じやすいです。

固定資産は企業の活動を円滑にするためのものなので、不正な使用は認められません。そのため、無駄なコストをかけないためにも固定資産をきちんと管理するようにしましょう。

固定資産を正確に算出できる

固定資産を正確に算出するためには、管理システムの利用がおすすめです。固定資産には固定資産税が課されますが、不要な固定資産をそのまま持っていると余計な税金を支払わなければいけなません。

そのため、固定資産を管理することで、不要な固定資産を把握して除去や廃棄を行い、無駄は支出を減らして節税の効果が得られるようになります。

まとめ

固定資産は企業の活動を円滑にするために必要なことで、有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産に分類されます。固定資産は高額で長期にわたって管理するため、それぞれの固定資産をきちんと管理して効率的に使用するのが重要です。

固定資産は数が多いため管理が非常に大変です。そのため、エクセルなどのソフトや管理システムを利用することが多く、適切に管理するうえで欠かせません。

また、固定資産の管理は節税効果がありクリーンな企業経営につながるので、ぜひ固定資産管理を効率よく正しく行うようにしてください。

※本記事における価格情報記載はすべて税抜表記です。
※Microsoft、Windows、Windows 10およびMicrosoftのロゴは、米国およびその他の国におけるMicrosoft Corporationの登録商標または商標です。
※その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
※ZENMU Virtual Desktopは、株式会社ZenmuTechの製品です。
※株式会社日立システムズエンジニアリングサービスは、ZENMU Virtual Desktopの正規販売代理店です。

物品管理システム

簡単できめ細やかな台帳管理機能と豊富なアタッチメントで、
「何が」「今どこに」「どのような状態」をリアルタイムに把握。
さまざまな運用現場における管理のお悩みを解決します。