画像AIソリューション
「画像検査を導入するイメージがなかなか湧かない」
画像検査という言葉をよく耳にするも、どのような場面で役に立つのか分からない方もいらっしゃると思います。
この記事では、画像検査の概要、利用するメリットやデメリット、導入事例などを紹介します。
※本記事に掲載している情報は2024年3月時点のものです
目次
画像AIソリューション
お客さまの業態に合わせた形でAIによる画像認識、画像チェックを導入し
優れた解析システムで、作業者の負担軽減/業務効率化を実現!
画像検査は、人の目で品質判定を行う目視検査の代わりとして登場しました。画像検査では、目視検査における人の目の役割をカメラ、品質判断をソフトウェアが処理します。このカメラとソフトウェアが組み合わさったものを画像センサと呼び、品質の判定を行います。
画像検査では、完成品の外観を事前に登録したデータと比較し、キズや汚れ、変形などの欠陥がないか確認します。
具体的に見抜く欠陥は以下のとおりです。
画像検査は、製造業やIT業界などさまざまな業界で活用されています。
画像検査装置は、以下の4つで構成されています。
それぞれの概要は、以下のとおりです。
検査物の形状によって照明の当て方が変わります。光の当て方と照明の形状には、さまざまな種類があります。
方式 | 特徴 |
---|---|
正反射 |
|
拡散 |
|
透過 |
|
形状 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
ドーム型 |
|
表面検査 |
リング型 |
|
基盤やラベルの検査 |
バー型 |
|
異物検査やシート検査 |
同軸落射型 |
|
ラベル検査や文字検査 |
レンズによって対象物の映し方が変わるので、必然的に判定の精度に影響を与えます。画像検査で一般的に利用されるレンズは以下の2つです。
レンズ | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
CCTVレンズ |
|
導入コストが低い | 画像の端に歪みが生じる |
テレセントリックレンズ |
|
歪みが少ない | レンズが大型で高価 |
CCTVレンズは、広範囲に撮影できる標準的なレンズです。防犯や監視カメラなどの映像撮影にも利用されています。低価格の反面、画像の端に歪みが生じることがあります。
立体的な形状や高低差がある被写体の検査には、適していないため注意してください。表面の形状の検査や導入コストを抑えたい場合におすすめです。
テレセントリックレンズは、計測に特化したレンズです。歪みが少ないため高低差のある被写体の検査でも、視野角が変動しません。精密な測定に適している反面、レンズが大型のため設置後に位置調整を行うのは難しいでしょう。複雑な形状の被写体でも歪みや死角が生じないため、精密な検査を行う場合におすすめです。
検出したいキズや異物の程度に応じて選ぶカメラが変わります。カメラは以下の2種類があります。
カメラ | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
エリアセンサカメラ | シャッターを一度切るだけで撮影ができる | 安価 | 大きな検査体だと撮りづらい |
ラインセンサカメラ | 展開図のような画像を取り込める | 大きな検査体の撮影に最適 | 高価 |
エリアセンサカメラは振動があってもブレない画像を撮影できる一般的なカメラです。設定や設置が簡単なため、手軽に導入できます。
ラインセンサカメラはコピー機やスキャナーのように、画像を撮る際にカメラまたは検査体が一定方向に動きます。エリアセンサカメラに比べ、大きな検査体の撮影に最適です。
カメラで捉えた画像はソフトウェアによって解析・検査が行われます。事前にAIモデルとして、正常な製品、異常な製品を画像登録することで高精度な解析・検査が可能です。また、検査の結果はレポーティング機能によって分析・学習が行われ、異常検知の判定精度を向上させます。
画像検査導入のメリットは、以下のとおりです。
画像検査は検査を自動で行うため、目視検査に比べ検査時間が短くなり、検査の効率が向上します。
目視検査では、肉眼で検査を行うため微細なキズや汚れを認識することが難しく、顕微鏡を使うなどして細部の確認に時間をかけて行う必要があります。画像検査では、細かなキズも瞬時に検出できます。
また、画像検査は、以下の点からも検査効率が向上するといえます。
画像検査では、あらかじめ設定した基準に基づいて品質を自動で判定し、検査の精度を向上させます。
目視検査では、作業者の経験によって検査結果にばらつきが生じます。また、数量の多い製品を検査する際は、肉体的・精神的な疲労がミスの原因にもなります。
一方画像検査では、機械が検査を行うため、作業者の疲労による検査結果のばらつきは発生しません。常に一定の検査基準で品質を判定し、検査の精度を向上させます。
画像検査の導入により以下が改善されるため、人的コスト削減につながると考えられます。
画像検査の導入検討をされている場合、少しでもコスト削減のメリットを受けるためにも、なるべく早めに導入することをおすすめします。
画像検査導入のデメリットは、以下のとおりです。
画像検査は目視検査に比べて、初期費用が必要です。
具体的な初期費用とは以下のとおりです。
このほかにも、学習データの作成費、画像検査のライセンス費などがかかる場合もあり、初期費用は目視検査に比べて高額といえます。
特定業務用の検査装置は、業務に特化した機能のため汎用性が低いです。
用途に応じて画素数を選択できるなど、1つの業務以外にも利用できるようなシステムを提供している企業も増えているものの、いまだに汎用性は低いといえます。
画像検査は、キズや異物を検知するために継続的に機械学習を行わなければなりません。蓄積された学習データに基づいて、コンピューターが機械学習を行い判断基準を発見していきます。
学習データにない判断基準は測定できないため、導入後すぐの運用はできず、継続的な学習が必要です。
検査物により導入すべき画像検査機器が異なります。画像検査機器を選ぶポイントは以下のとおりです。
ここでは業種ごとの画像検査導入事例をご紹介します。
あるプラスチック製品製造会社では、樹脂成形工程で検査員が目視で検査を行っていました。しかし、検査員ごとに検査基準が曖昧で結果にばらつきがあったほか、肉体的負荷がかかっており疲労の原因となっていました。
そこで画像検査を導入し、検査を自動化することで以下の成果が得られました。
このように画像検査を導入することで、人的コストが軽減されて検査の効率が向上しました。
ある住宅メーカーでは、外壁の製造時に材料不良や焼き上がりの色ムラによる不良品が発生していました。一方で、目視検査では検査できる量に限界があり、不良品を排除すると出荷必要枚数が不足してしまう状況にありました。
そこで製造時の検査に画像検査を導入し、検査を自動化することで、以下の成果が得られました。
このように画像検査の導入により、検査量の増加による供給量の確保につながりました。
この記事のまとめは以下のとおりです。
画像検査はシステムの設置費や導入費など初期費用がかかりますが、長期的にはコストを削減できます。
「目視検査では検品作業がスムーズに進まない」「目視検査のマニュアルが統一できていない」とお悩みの方は画像検査を導入検討してみてはいかがでしょうか。
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※ZENMU Virtual Drive Enterprise Editionは、株式会社ZenmuTechの製品です。
※株式会社日立システムズエンジニアリングサービスは、ZENMU Virtual Drive Enterprise Editionの正規販売代理店です。
お客さまの業態に合わせた形でAIによる画像認識、画像チェックを導入し
優れた解析システムで、作業者の負担軽減/業務効率化を実現!