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  • 2024.03.01
  • 2024.03.01
  • 画像AIソリューション

画像認識とはどんな技術?仕組みや導入メリットを解説

画像AIソリューション

画像認識技術は、AI活用の代表例ともいえる最新のテクノロジーです。この記事では、画像認識とはどのような技術なのか、その仕組みや導入メリットなどについて、詳しく解説します。DXの一環として画像認識の導入を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に掲載している情報は2024年3月時点のものです

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画像認識とは?仕組みを解説

画像認識とは、コンピューターが画像データを読み込み、画像の中に含まれているオブジェクト情報やデータを自然言語に翻訳して、人間のように画像を認識する仕組みのことを指します。

人工知能の技術が進化したことで、コンピューターは人間と同じレベル、あるいはそれ以上の解像度で「画像の中に何が含まれているのか、その画像が何を意味しているのか」を理解できるようになりました。

画像認識のアルゴリズムに画像を読み込ませることで、AIが画像を認識しやすいよう余計なデータを画像から自動で排除し、目的に応じた情報を効率よく取得することができます。画像データから抽出した情報をもとに画像データを分類、あるいは情報を検出して、ユーザーにとって有益な情報を提供するという仕組みです。

その写真の中に何人の人がいるか、動物の種類は何かといった基本的な情報の取得はもちろん、人間の顔の情報も何百万分の1というレベルで判別することができるようになっており、今や高度な画像認識能力が求められる現場でも活躍しています。

画像認識の種類

画像認識と一言でいっても、実際にはいくつかの種類にその能力は分けられます。ここでは画像認識機能の細かな違いについて、解説します。

物体認識

画像認識の代表的な機能の一つに、物体認識が挙げられます。道路上に障害物があるかどうかや、その画像の中に何人の人間がいるかなどの業務に物体認識は使用されています。

物体認識の技術は、ドローンや自動車といったモビリティ産業における活躍が著しいテクノロジーです。自動で障害物を避ける、あるいは操縦者にアラートを通知できるドローンの開発や、障害物を避けながら走行できる自動運転技術の開発において、物体認識は重要な役割を果たします。

あるいは店舗カメラに物体認識機能が実装されることで、日々の来店者の数を自動で記録し、売上やマーケティング分析に役立てられる情報収集が可能になるでしょう。

異常検出

安全面の確保や製品の品質向上において活躍しているのが、異常検出機能です。通常時と異常時の映像や画像の違いを見分けられることで、モニタリング業務をAIに任せることができます。

生産ラインに異常検出機能を備えたカメラを実装すれば、不良品を人間以上の精度とスピードで特定し、すぐに排除することができます。また、不良品の状態から原因を迅速かつ正確に特定し、不良品の量産を防いで余計な損失も回避できるでしょう。

また、監視カメラに異常検出機能を搭載すれば、不審な動きをしている人物を特定したり、不審な行動を検知したら自動で通報したり管理者に連絡したりするようなセキュリティ強化を実現可能です。

顔認識

顔認識機能は、比較的日常で広く導入されている画像認識技術の一種です。代表的な例は、iPhoneシリーズに搭載されているFace ID機能でしょう。
人間の顔の特徴を極めて正確に把握し、判断することで、強固かつ使いやすいロック機能を実現しています。

顔認識機能は、税関などでも導入が進んでいる機能の一種です。パスポートの画像と渡航者の実際の顔を照合し、正確でスピーディーな手続きを促し、業務効率化を実現しています。

文字認識

ビジネス分野で注目を集めているのが、文字認識機能です。紙面などに記されている文字をカメラで読み取り、テキストデータに変換したり翻訳したりするこの機能は、業務の効率化や品質向上に活躍しています。

また、海外旅行中にスマホカメラを使って現地のテキストを読み込ませ、瞬時に翻訳するような機能は、観光産業の活性化を促すうえでも強力なテクノロジーの一つとなってきました。

画像認識が注目される背景

このように、画像認識機能は最近になって注目されるようになった技術である一方、画像認識の考え方は数十年も前から存在していました。

しかし、それでも今になって多くの人気を集めているのには、以下のような背景が考えられます。

AIの高度化

画像認識が注目されるようになった最大の理由は、AI技術そのものが高度になったことが挙げられます。

これまで、AIの学習能力は教師あり学習と呼ばれるプロセスによって品質向上が図られてきましたが、精度や効率の面で課題が多く、技術革新が遅々として進みませんでした。

しかし2010年代に入り、新たに採用されるようになった教師なし学習によって、AIの画像認識能力は格段に向上しました。結果、人間と同じレベルか、それ以上の画像認識が今では可能となっており、多様なサービスの登場を促しています。

優れたセンシング技術・カメラの登場

AI技術の革新と同時に、カメラそのものの性能も格段に向上しています。人間の目と同じレベルの高い解像度で映像や画像を捉えられるようになり、結果的にAIの判断をより正確なものにしています。

また、眼球並みの小ささでも高い解像度の映像が撮影できるようになり、高度な画像認識を活用できる場が広がっているのも大きな変化です。

DXの普及

人材不足などの影響により、そもそも積極的なデジタル活用の機運が高まったことも、画像認識をはじめとする最新のAI技術導入が進んでいる背景にあります。

いわゆるDXの取り組みはもはやあらゆる業界において不可欠な取り組みとなっており、少ない人数で最大限の生産性を発揮できる体制の構築が求められているのが現状です。画像認識の導入は、そんなDX推進の要として注目されている取り組みであり、現在はさまざまなサービスが登場しています。

画像認識の主な活用シーン

画像認識は具体的に、どのような場面で活躍が期待されるのでしょうか。主な画像認識技術の活用シーンについて、解説します。

自動運転

自動運転は画像認識技術の代表的な活用領域です。画像認識は映像認識とほぼ同じ技術を使用しており、自動運転においては特にリアルタイムでの素早い認識が求められています。

近年の技術革新に伴い、画像認識技術はすでに人間と同じレベル、あるいはそれ以上の処理能力に達し、AIにドライブを任せた場合でも、高いレベルで障害物を回避したり、歩行者の通過を待ったりすることが可能です。

カメラの小型化やコンピューターの小型化・高度化が進むことで、自動運転に伴う画像認識のレベルはさらに高まることが期待できます。

スマートファクトリー

スマートファクトリーとは、自動化・半自動化が実現した工場のことを指します。ドイツや欧米各国を中心に進んでいるスマートファクトリーの最大の特徴は、工場内の完全無人化をめざしている点にあります。

これまでは目視で行ってきた生産管理を画像認識をはじめとする高度なAI技術の活用によって、リアルタイムで現場をモニタリングし、人間が現場に立たなくとも優れた品質の維持と生産ラインの安全確保が可能です。

人材不足が深刻化する製造業において、画像認識技術を活用したスマートファクトリー化は一つのめざすべき未来といえるでしょう。

セキュリティカメラ

セキュリティの強化においても、画像認識技術は活躍します。高度な顔認識と物体検知機能を併用すれば、あらゆる視覚的な異常を容易に検知し、すぐに管理者や警備担当者、警察へ通報することが可能です。

人間が電話をかけたり様子を見に行くよりも素早い対応によって、被害を最小限に抑えたり、未然に防いだりできます。

文字起こし・文書のデータ化

DXに伴い課題とされているのが、アナログ文書のデジタル化です。デジタル化されていない情報については手打ち入力によるデジタル化が必要でしたが、文字認識機能を活用すれば、瞬時に紙のデータもデジタル化できます。

人間の業務は文字認識の際に、発生した変換ミスなどを修正するだけでよいので、はるかに質の高いDXを推進できるでしょう。

画像認識の導入から得られるメリット

画像認識技術の導入は、具体的には以下のようなメリットが得られることから大いに注目を集めています。

生産性の向上

画像認識の導入は、生産性向上において強力な効果を発揮します。上でも紹介したように、画像認識は既存の業務の大半を自動化するための基礎的な技術であることから、うまく応用できれば多くの業務負担を解消することができるでしょう。

業務品質の向上

画像認識はただ業務を自動化するだけでなく、その品質向上においても強力な効果を発揮します。基本的にAIは人間のようなヒューマンエラーを起こす心配がなく、24時間365日常に一定のパフォーマンスを維持できます。

少々のエラーの可能性は残るものの、人間はそのエラーに対処するだけで業務が完結するので、より高度な業務に十分なリソースを割けるようになるでしょう。

高度なデータ活用

画像認識技術の導入によって、高度なデータ活用のきっかけを作ることも可能です。正確な異常検知機能によって不良品発生率を調べたり、来店者人数をリアルタイムでカウントし、今後の来店予測に役立てたりといった使い方ができます。

これまでは責任者の主観で担当していた業務においても、客観的なデータに基づく期待値の高い意思決定が可能になるでしょう。

画像認識導入の課題

画像認識は業務改善において強力な技術であるものの、導入に際しては解消すべきハードルもあります。

AI人材の育成が必要

まず、画像認識を使いこなすためにはAI人材の獲得、あるいは育成が必要です。これまでITの活用を進めてこなかった組織においては特に慣れない技術となるため、従来の慣習や常識から脱却し、AIありきで業務を遂行するための体制構築が求められます。

AIを使いこなすためには、まず人間がAIに順応しなければなりません。

設備投資がかかる

画像認識を活用するうえでは、そのためのハードウェア導入も必要になります。いずれの設備も相応の予算を確保しないと導入は難しいため、補助金制度などをフル活用しながら負担を抑えて導入を進めましょう。

自社の課題解決につながるアプローチを検討する必要がある

画像認識技術は、ただ導入するだけであらゆる問題が解決するテクノロジーではありません。自社の課題を分析し、画像認識の導入がベストな選択肢であることがわかって、初めて効果を発揮します。

そもそも自社の課題とはどのようなところにあるのか、どんなソリューションが最適なのかを検討しながら、画像認識を一つの選択肢として考え、他のアプローチとも比較検討しながら導入を進めましょう。

画像認識技術の今後

画像認識技術は、現在進行形で高度化が進んでいる技術です。基本的な認識性能はもちろん、ソフトの軽量化やハードの小型化も進み、より身近に利用できるようになることが考えられます。

ただ、画像認識がどれだけ身近な技術になったとしても、それを使うのは人間であるため、活用方法については早期から理解しておくにこしたことはありません。画像認識を活用しない期間が長くなると、その分機会損失も大きくなってしまうため、画像認識の必要性を感じている場合、早期の導入をおすすめします。

まとめ

この記事では、画像認識技術とはどのようなものかについて解説しながら、画像認識の活用のポイントについて解説しました。

画像認識技術は日々進化しており、今では非常に繊細な情報も瞬時に読み取れるようなテクノロジーとなりました。人間の仕事の大半を自動化してくれるこの技術を活用することで、人材不足の解消や業務品質の向上をめざせるでしょう。

ただ、画像認識を使いこなすためには相応のノウハウが求められるだけでなく、ある程度まとまった予算、そして的確な導入計画が必要です。

まずは自社の課題を見直し、どのようなところに問題を抱えているのか、どう画像認識を活用すれば物事がうまく進むのかを理解し、AIソリューションの導入を進めましょう。必要に応じて、専門家にも相談してみるのもおすすめです。

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