日立システムズエンジニアリングサービスEXPO 2025
日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員 エバンジェリスト
西脇 資哲 氏
講演の冒頭、西脇氏は世界の時価総額ランキングの変化を紹介。20年前は石油・天然ガス・金融が上位を占めていたが、現在はNVIDIA、Microsoft、Apple、Googleなどテクノロジー企業が席巻している。「今日ここに来るのに時刻表や地図を持ってきた人はいないはず。全員がスマートフォンを使っている」と、デジタル化の浸透を強調した。
続いて、IoTの実例として、アフリカの太陽光発電設備、ニュージーランドの農場、ヨーロッパを走行中のトラックなどをリアルタイムで確認するデモンストレーションを披露。日本国内でも高速道路の状況、電車の位置情報、航空機や船舶の動きがすべてインターネットで把握できることを示し、「あらゆるものがセンサーの塊。ネットワークにつながっているものの状態が手に取るように分かるのがIoTの素晴らしさ。」と語った。
一方で、西脇氏はつながる世界であるからこそセキュリティ対策が重要だと訴えた。注目すべきは「攻撃者がネットワークに侵入してから45分以内に管理者権限を乗っ取る。」という事実。さらに政治的要求を伴う「ハクティビズム」の台頭にも警鐘を鳴らした。対策として、ゼロトラスト、多要素認証などに加え、「セキュリティ訓練」の実施を推奨。「やられたらおしまい。だからこそ備えが必要。」と強調した。
後半は生成AIの話題へ。日本の生成AI利用率が諸外国に比べて著しく低いことを指摘し、内閣府が「AIを使わないことが最大のリスク」と国家戦略として宣言したことを紹介。
ChatGPTを使った台風のメカニズム解説や、画像生成AI、アプリケーション生成AIのデモンストレーションを通じて、「生成AIの能力を引き出せるかは、AI側ではなくわれわれ人間側にかかっている」と述べた。経済産業省が掲げる「問いを立てる力」の重要性を説き、AIへの適切な指示・会話ができるかどうかが活用の鍵だと訴えた。
最後に「テクノロジーは普遍的なもの。そろばんから電卓、PC、スマートフォンと同様に、生成AIもそういう時代になる。ただしリスクへの備えも忘れずに」と締めくくった。